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予想価格は27億円! ウォーホルとバスキアの「最高傑作」がオークションに

アンディ・ウォーホルジャン=ミシェル・バスキアが1984年に合作した無題の絵画が、2024年5月に開催するサザビーズの現代アート・イブニング・セールに出品される。春のオークション・シーズンの目玉のひとつになるだろう。

2024年5月に開催するサザビーズの現代アート・イブニング・セールに出品されるウォーホルとバスキアの合作。Photo: Couetesy Sotheby's

この作品は、アンディ・ウォーホルジャン=ミシェル・バスキアが1984年から1985年にかけて共同制作した160点のうちの1つで、ウォーホルの消費主義的なイメージと、バスキアの頭蓋骨や落書きのようなモチーフが組み合わされている。当時バスキアは20代、ウォーホルは50代で、アート業界の中には、老齢のポップ・アーティストであったウォーホルが自身のキャリアを伸ばすためにバスキアの名声に寄生していると非難する人もいた。

しかし今日、バスキアとウォーホルのコラボレーションは、おおむね好意的に受け止められている。2022年には、ウォーホルとバスキアが一緒に仕事をした年月に焦点を当てたブロードウェイの舞台「The Collaboration」が大ヒットした。

今回オークションに出品される作品は、2023年にパリのルイ・ヴィトン財団で開催された、2人の合作シリーズに特化した大規模な展覧会で展示されたもの。その後コレクターのピーター・ブラントが運営するアートスペース、ブラント・ファウンデーションがニューヨークで開催した展覧会でも紹介されている。

この作品がオークションに登場するのは、2010年にサザビーズで265万ドル(現在の為替で約4億円)で落札されて以来になる。今回サザビーズは、そのおよそ7倍となる1800万ドル(約27億円)を予想落札額に設定している。

同オークションハウスのイブニングセールス責任者であるルシアス・エリオットは、この作品についてこう語った。

「まさに彼らのコラボレーションの頂点にある作品です。1年間一緒に仕事をする中で、キャンバスは二人にとって非常に快適な場所になり、様々な創造が行われました。同時に、キャンバス上において二人はそれぞれ独立した存在として、同じ題材を個々の言語で表現したのです」

バスキアとウォーホルのペインティングはオークションで高値で取引されるのが一般的であるとはいえ、彼らの共作は単独での作品に比べて控えめな価格になる傾向がある。合作の最高記録は、2014年5月にフィリップス・ニューヨークの現代美術イブニングセールが記録した《Zenith》の(1985)1130万ドル(約17億円)だ。(翻訳:編集部)

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