フランス・ブルターニュ地方の邸宅から中世の城を発見。水車を利用した製粉室跡や装飾品・衣類なども
フランス北西部ブルターニュ地方のヴァンヌで、18世紀の邸宅シャトー・ラゴルスの中庭から中世の城郭跡が発見された。ヘリテージ・デイリー誌などによると、ヴァンヌでは美術館建設計画が進んでおり、その第一段階として発掘調査が行われている。
フランス国立考古学研究所によると、発掘された古城はエルミーヌ城と呼ばれ、1380年頃にジャン4世がこの地域における自らの権勢を示すために建造したものという。ジャン4世は、1345年からブルターニュ公爵、モンフォール伯爵、1372年からは第7代リッチモンド伯爵の称号を持つ。
今回、地下4メートルほどのところで発見されたのは、堀や2階建ての城壁の跡など。石組みの状態からすると、城は3層から4層の構造で、複数の階段や手洗い、排水管があったと見られる。手洗いの周辺からは、装飾品やコイン、南京錠、衣類など、15世紀から16世紀にかけての生活の痕跡が見つかった。
また、堀に架けられた橋の跡や、城の居住エリアに「非常に独創的な方法で」設置された製粉室も発掘された。ひき臼は城の地下を流れる運河を利用した水車で駆動され、水は製粉室にある格子状の開口部から堀に放たれたと考えられている。(翻訳:石井佳子)
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