中世の歩兵が着用したかぶとをシチリアの海底で発見。さらなる文化遺産の発掘に期待
イタリア・シチリア島の南東に位置する無人島、ヴェンディカリ保護区付近の海底で、中世後期に使われていたかぶとが二人の考古学者によって発見された。島の近くには小さな港と輸出用の物資を守るために作られた防衛塔があることから、発見現場の周辺で船が難破し、文化遺産がこれからも発見される可能性がある。
中世後期に使われていたかぶとが、イタリア・シチリア島の近くに浮かぶ島、ヴェンディカリ保護区付近で発見された。考古学の専門メディア、Heritage Dailyが3月31日に報じた。
これまでにシチリア南東に位置するこの無人島で発見された遺跡は、モディカ・ムナフォ男爵によって19世紀に建設されたツナ缶工場跡のみ。それ以外の文化遺産は、すべて海の下に埋まっている。
こうしたなか、ナポリ大学で研究する考古学者のエンツォ・モーラとレオポルド・レポラは、水深およそ5メートル付近でこのかぶとを発見した。カバセットと呼ばれる種類のこのかぶとは、16〜17世紀にかけて歩兵や軽騎兵が着用していた。
この地域では、ほかの遺物がまだ眠っているか否かを調べるために、さらなる調査が行われる予定だ。専門家たちは、15世紀に建てられたトッレ・スベバ防衛塔が近くにあることから、かぶとが発見された現場の近くで船が難破した可能性を検討してきた。この塔は、小さな港と輸出用の物資を保管する倉庫を守るために作られたとされている。
二人の研究者は、発見したかぶとを水没文化財の名誉検査官に引き渡し、その後は海洋監督局の下で保管されている。(翻訳:編集部)
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