美術館スタッフが自分の絵を「ゲリラ展示」。アーティストとしての道を期待するも解雇される
ドイツのミュンヘンにある美術館で、自分の絵を無断で展示した従業員が解雇された。4月8日に南ドイツ新聞が事件の第一報を伝えている。
ドイツ・ミュンヘンの美術館、ピナコテーク・デア・モデルネには、パブロ・ピカソ、フランツ・マルク、オスカー・シュレンマーといった近現代美術の巨匠の作品が並ぶ。しかし4月初旬、こうした20世紀の名画に混じって同美術館の従業員の作品が無断で飾られていたことが発覚した。
事件を調査中の警察によると、自分の絵を「ゲリラ展示」したのはテクニカルサービス部門に所属する51歳の従業員。人目に触れることで、将来アーティストとしての道が開けるかもしれないと考えたという。
どうやって人知れず展示することができたか、詳細はまだ明らかになっていない。南ドイツ新聞は、いつ壁に掛けられたのか美術館の管理部門も把握していないと伝え、美術館広報担当者の「管理者は普通こうしたことにすぐに気づくはずです」というコメントを載せている。
事情聴取中の従業員は、壁に2つ穴を開けたという軽微な違反を犯しただけなので、重い罪に問われることはないと見られる。一方、ピナコテーク・デア・モデルネは、この従業員に解雇を言い渡した。(翻訳:石井佳子)
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