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草間彌生のレアな未公開作品がオークションへ。予想落札価格は約8億円

草間彌生が1995年に制作したペインティング《Infinity》が香港で開催されるボナムズ・オークションに出品される。本作はこれまで一般公開されておらず、草間を象徴する水玉模様と無限の網の両方が施された珍しい作品だ。

草間彌生《Infinity》(1995)Photo: Courtesy of Bonhams

これまで一般公開されることのなかった草間彌生の《Infinity》(1995)が5月25日に香港で開催されるボナムズ近現代アートオークションに出品される。赤と黒を基調としたペインティングに設定された予想落札価格は500万ドル(約7億8230万円)。

この作品は、草間を象徴する水玉模様と無限の網の二つが組み合わさった珍しい例だ。本作はまた、二つに分かれて構成されており、右は赤字に黒の水玉模様が、左は黒と赤の無限の網が施されている。今回の出品に際してボナムズは次のような声明を発表した。

「草間の作品には没入感と人の心を引きつける力がある。果てしなく続くように見える網とドットは、彼女のキャリアを通して繰り返し登場する重要なモチーフであり、彼女の人生と精神状態を反映している」

草間作品の人気は、ここ数年で急上昇している。2023年4月に香港で開催されたサザビーズのイブニング・セールで、過去20年以内に制作された草間作品5点が2290万ドル(約35億8300万円)で落札されるなど、彼女の作品は2023年のオークションで最も高い売上額を記録。その総額は、実に8090万ドル(約126億5800万円)にもなり、2022年のトップだったデイヴィッド・ホックニーに3000万ドル(約47億円)以上の差をつけた。中でも最も高額だったのは、クリスティーズ香港のオークションで約1000万ドル(約15億6500万円)で落札された絵画《A Flower》(2014)だった。

また、2023年には香港のM+で大回顧展が開催され、世界各地でルイ・ヴィトンとのコラボレーションが展開されるなど、「クサマ・インダストリアル・コンプレックス(草間の産業複合体)」と呼ばれるカルト的な地位が確立されている草間は、ときに「文化の伝道師」と呼ばれることもある。(翻訳:編集部)

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