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  • 2024.05.22

展示室での授乳はNG? 男性スタッフに制止された女性が「尊厳を奪われた」として美術館を提訴

アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスにある現代美術館、ウォーカー・アート・センターの展示室内で乳児に授乳した来館者の女性が、男性スタッフに授乳を制止されたとして同館を提訴した。

ミネソタ州ミネアポリスにあるウォーカー・アート・センター。Photo: Getty Images

2024年3月上旬に、家族でウォーカー・アート・センターを訪れたメーガン・ムゼンガが、同館を提訴した。彼女がミネアポリスのテレビ局、KARE1に語ったところによると、展示室で「乳児の娘がお腹を空かせてぐずり始めた」ため、そこにあった大きなソファに座って授乳を始めたところ、男性スタッフに「ここでは授乳はできません」と注意されたという。男性スタッフはその後、授乳を止めなければ護衛を呼ぶとムゼンガに警告し、トランシーバーで彼女を追い出すように指示を出したという。

当時の状況についてムゼンガは、「私は自分が悪いことをしてしまったんだと恥ずかしくなりました。そして、騒ぎを起こしたくなかったので美術館を出たのです」と語る。しかし、疑問の残った彼女は別の従業員に同館の授乳方針について説明を求めた。すると、よく分からないが、コメントカードを残すことができると助言されたという。

一方、同館のホームページを見ると、「母親が最も快適に感じられる場所で自由に授乳できる」と書かれている。その後のやりとりで、同館のビジター・ギャラリー運営担当マネージャーはムゼンガの言い分は「正しい」と認めたが、ムゼンガ自身は一連の出来事が「尊厳を奪うものだった」と感じたため、提訴することを決めた。ムゼンガは「1人の女性として、授乳中の母親として、ほかのどんな母親にも私と同じ経験をしてほしくありません。赤ちゃんにミルクを与えることが必要なときには、自由にそうできるべきです」と主張する。

同館のあるミネソタ州法でも、女性は 「授乳中または授乳に付随して母親の乳房の乳首が露出しているか否かにかかわらず」、どのような場所でも授乳することが認められている。

同館の広報担当者は、係争中の訴訟の詳細についてはコメントできないとしながらも、来館者は 「展示室を含む 」館内のどこでも最も快適な場所で授乳することが歓迎されていると説明した。さらに、プライバシーを確保したい来館者は、受付で鍵を借りた上で、建物9階にあるソファ、シンク、バスルームを揃えた小さな部屋を利用することができるという。(翻訳:編集部)

from ARTnews

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