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スペイン史上最大の盗難事件の解決まで、あと1作品。盗まれたフランシス・ベーコン作品の4つ目を発見

フランシス・ベーコンが最後の恋人であるホセ・カペッロに捧げた肖像画が、スペインの捜査当局によって発見された。カペッロを題材に制作された5点の肖像画は2015年にすべて盗まれたが、2017年に3点が見つかっている。捜査当局は依然として最後の1枚の所在を調査しているという。

約7億8400万円以上の価値があるホセ・カペッロの肖像画がスペインの捜査当局によって取り戻された。Photo: Courtesy of Policía Nacional

2015年に盗まれたフランシス・ベーコンのペインティングが、スペインの捜査当局によってマドリードで発見された。

このほど取り戻された作品は、スペインの銀行家であるホセ・カペッロの肖像画5点のうちの1点で、総額2500万ユーロ(約42億5300万円)の価値がある。9年前に起きたこの出来事は、スペイン史上最大の盗難事件だと言われている。

作品が盗難されて以来、犯行を指揮したと考えられる人物を含む16名が逮捕されており、盗まれた5つの作品のうち3点は、2017年に発見されている。捜査当局は依然として発見されていない最後の1作品を探しているという。スペインの捜査当局から発表された声明には次のように記されている。

「東欧の犯罪組織とつながりのあるスペイン人を中心に残りの作品の所在を突き止め、それを所持している犯人を逮捕するために捜査を続けています」

20世紀美術において最も影響力をもつアーティストの一人であるベーコンの作品は、オークションにおいて何度も高額取引されており、2013年のクリスティーズ・ニューヨークで1億4200万ドル(現在の為替で約222億5000万円)で落札された《ルシアン・フロイドの3つの習作》(1969)はその好例だ。この作品は、当時の最高落札金額を記録している。最近の例を挙げると、1966年に制作された《Portrait of George Dyer Crouching》は、2023年5月にサザビーズ・ニューヨークで2770万ドル(同約43億4200万円)で落札された。(翻訳:編集部)

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