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30周年を迎えるNYアーモリーショーが出展者を発表。フリーズ傘下での刷新も明らかに

今年30周年を迎えるニューヨークアーモリーショーが、9月6日から8日までジャビッツ・センターで行われるアートフェアの参加ギャラリーを発表した。フリーズ傘下で2年目となる今回の参加総数は235軒を超える。

アーモリーショーの会場、ジャビッツ・センターのアトリウム(2023年撮影)。Photo: Vincent Tullo

2023年、エキスポ・シカゴとともにフリーズに買収されたアーモリーショー。以来2回目の開催となる今年は、フリーズ傘下で一から計画された初のフェアとなり、フロアプランが一新されるほか、リードパートナーとして新たにアメリカン・エキスプレスを迎えた。また、長年アーモリーショーを率いてきたニコール・ベリーが、3月にロサンゼルス・ハマー美術館の拡張計画責任者に就くため離職。現在はフリーズのディレクターであるクリステル・チャデとアメリカ地区ディレクターのクリスティン・メシネオが指揮を執っている。そのメシネオは、参加ギャラリー発表の声明でフェアの変化をこう説明した。

「アーモリーショーが加わったことで、ニューヨークにおけるフリーズの地位は確固たるものになりました。今年のフェアでは来場者の体験の質を高めるフロアプランが導入されるほか、ミーティングスペースの刷新、展示セクションの再編成、アート界の著名人とのトークショーなどを行うためのシアター新設、パートナーシップの活性化などを実現します」

近年のアーモリーショーは、フリーズの他のフェアでは常連の4大メガギャラリーなど、著名ギャラリーの出展を確保することができていなかった。この状況は今年も続くようだが、プレスリリースによると、昨年の出展者で今年も参加するギャラリーは145を超えるという。継続出展はアートフェアが成功の指標として用いるもので、今回で言うとヴィクトリア・ミロ、アルミネ・レッシュ、ジェームズ・コーハン、ナラ・ローズラー、ショーン・ケリー、カスミン、ジェシカ・シルバーマン、マイケル・ローゼンフェルドといった優良ギャラリーがそれに当たる。

また、ジェフリー・ダイチ、プロイェクトス・モンクローヴァ、スペローン・ウエストウォーター、マリアン・イブラヒム、バンク、ピッピー・ホールズワース・ギャラリーなど、1年以上のブランクを経て戻ってきた出展者も少なくない。さらに、今年の新顔にはコモンウェルス・アンド・カウンシル、レイバー、コーベット vs. デンプシー、ハンナ・トラオレ・ギャラリー、ギャラリー・バトン、エクスペリメンターなどが名を連ね、同フェアに出展したことのないニューヨークのギャラリーに贈られるグラマシー・インターナショナル賞を受賞したブレード・スタディも初参加する。

アーモリーショーは昨年12月に、フェアのセクション別キュレーターを発表した。それによると、フォーカス部門はザ・キッチンのシニアキュレーターであるロビン・ファレルが、プラットフォーム部門はインディペンデントキュレーターのユージェニー・ツァイが指揮を執る。1994年の第1回アーモリーショーに関連した展示を単独あるいは2人ユニットで行うフォーカス部門には、カップ・カップ、モニーク・メロシュ、リュボーヴ、ホワット・イフ・ザ・ワールド、エタル、ルイス・デ・ヘススなどが参加。大規模作品を展示するプラットフォーム部門には、リーマン・モーピン、ピーター・ブラム・ギャラリー、ゴヤ・コンテンポラリー・ギャラリー、ターン・ギャラリーなどが出展する。

メシネオとともに今回のフェアを指揮するチャデは、声明でこう述べている。

「過去30年間、アーモリーショーはニューヨークにおける文化の中心的存在として、最前線でアートを支え、ギャラリーにニューヨークのアートファンと交流する機会を提供してきました。このフェアの強みを生かし、さらに裾野を広げるためにチームと協力できたことをうれしく思っています。アーモリーショーは発見のためのプラットフォームです。たくさんの新しい出展者と心のこもったプレゼンテーションに出会えることを楽しみにしています」(翻訳:石井佳子)

* 出展者一覧

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