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ツアーの経済効果は600億円超! テイラー・スウィフト展がV&A博物館で開催決定

テイラー・スウィフトの半生を振り返る展覧会「Taylor Swift: Songbook Trail」が7月27日から9月8日までV&A博物館で開催される。これまで未公開のアイテムを多数含む、「テイラーと彼女の創造についてより深く知ることのできる」またとない機会だ。

2020年発表のアルバム『Evermore』に収録された曲「Willow」のミュージックビデオ。Photo: Courtesy of TAS Rights Management, LLC

テイラー・スウィフトのすべてを網羅した展覧会が、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A博物館)で7月27日から開催される。この展覧会には、これまで身に着けていたカウボーイブーツやドレス、そしてこれまで未公開のファン必見のアイテムが多数展示されるという

Taylor Swift: Songbook Trail」と題された展覧会は、スウィフトがナッシュビルに引っ越した14歳で幕を開け、スウィフトの幼少期、過去にレコーディングしてきたアルバム、スターダムを駆け上がっていく過程など、彼女がこれまで歩んできた道のりを13の節目から辿る試みだ。

とりわけ注目すべきは、デビューして間もないカントリーシンガー時代のスウィフトが身に着けていたカウボーイブーツや、最新アルバム『The Tortured Poets Department』に収録されている「Fortnight」のミュージックビデオで着用した黒いドレスなど。今回の展覧会の開催に際して、V&Aの演劇とパフォーマンスのシニアキュレーターを務めるケイト・ベイリーは次のようにコメントしている。

「テイラー・スウィフトの楽曲は、美術や歴史、文学などを参照しながら、美術品と同じように物語を伝えています。現在に至るまでの彼女の道のりを博物館内にちりばめているので、テイラーのことはもちろん彼女の創造性、そしてV&Aに常設されている展示物についても深く知れる展覧会です」

この展覧会は、スウィフトが2023年3月から行っているコンサートツアー「The Eras Tour」のイギリス公演後に開催される。ツアーで訪れた街に底知れない経済効果をもたらすと言われている「The Eras Tour」に便乗して、ロンドン市長のサディク・カーンは市内の地下鉄の路線図「Tube Map(Taylor’s Version)」を公開。各線には彼女のアルバム名、そして駅には彼女の曲の名前がつけられており、このマップはウェンブリー・パーク駅に掲示されるほか、6月28日付けのロンドン・イブニング・スタンダード紙にも折り込み広告が掲載された。

このコンサートがロンドンに与える経済効果は、約3億ポンド(約613億円)とも言われている。イギリスが拠点の国際金融グループ、バークレイズによると、スウィフティーズは平均的なイギリス人の12倍以上の金額を一晩で費やすと考えられ、イギリス経済全体が9億9700万ポンド(約2037億円)押し上げられると予測している。

V&Aはこうした推測が発表される前から準備を進めてきており、テイラー・スウィフトが来場者に渡すことのある「コンサート用のサインや、フレンドシップ・ブレスレット(友情の証のブレスレット)をはじめとする手作りアイテムに精通した」ファンをスタッフとして募集していた

本展覧会の会場設計はステージデザイナーのトム・パイパーが担当し、常設展示会場内にて9月8日まで開催される予定だ。(翻訳:編集部)

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