アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ2024の出展者が発表。初参加は2008年以来最多
アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ2024に出展する283のギャラリーが発表された。今年の会期は12月6日〜8日(VIPプレビューは4日〜5日)、場所はマイアミ・ビーチ・コンベンション・センター。
2024年のアート・バーゼル・マイアミ・ビーチは、昨年同フェアのディレクターに就任したブリジット・フィンが指揮を執る初の開催となる。出展者数は昨年の277を上回り、一昨年の2022年と同数の283。参加者は34の国と地域にわたるが、発表によると約3分の2は南北アメリカのギャラリーだという。日本からはナンヅカとスカイ・ザ・バスハウスが出展する。
大手ギャラリーの参加は、ガゴシアン、ハウザー&ワース、ペース、デヴィッド・ツヴィルナー、ブラム、セイディ・コールズHQ、ポーラ・クーパー・ギャラリー、ジェフリー・ダイチ、グラッドストーン・ギャラリー、デイヴィッド・コルダンスキー・ギャラリー、リーマン・モーピン、ギャルリー・ルロング&Co、ヴィクトリア・ミロ、ムニューシン・ギャラリー、タデウス・ロパック、ジャック・シェインマンなど。
初参加のギャラリーは32で、2008年以来最多。ギャラリー・ウェンディ・ノリス、ILY2、ファビアン・ラング、ダスタン・ギャラリー、ギャラリー・バトン、パール・ラム・ギャラリー、カティンカ・タバカル、ギャラリー・ノスコ、ガジャ・ギャラリー、スウィートウォーターなどが初出展者として名を連ねている。
また、フェアのメインセクションである「ギャラリーズ(Galleries)」部門に初参加する25のギャラリーのうち、21軒はこれまで別のセクションに出展していた。その中には、インスティチュート・デ・ビジオン、エデル・アサンティ、ダニエル・ファリア・ギャラリー、セントラル・ファインなどがあり、アフリアート・ギャラリーとレレ・ギャラリーは共同でブースを出展する。こうしたギャラリーには、新たに導入された「ミニマムサイズ・ブース・オプション」を活用しているところも少なくない。
ディレクターのフィンは声明で次のように述べている。
「メインセクションに中小ギャラリーが参加できるよう、より公平な方法を開拓することが重要でした。その結果、今年は多くの初出展につながっています。私たちは、ギャラリーやアーティスト個々のニーズやその変化への機敏な対応を続けるとともに、コレクター、美術館、財団、主要パートナー、そしてマイアミビーチをはじめ世界各国からの来場者にとって、見逃すことのできない価値ある体験を創造することに全力を注いでいます」
同フェアには、メインセクションのほかにも5つの部門がある。過去3年以内に制作された作品を集めた「ノヴァ(Nova)」、新進アーティストのソロブースを出展する「ポジションズ(Positions)」、2000年以前に発表された作品を展示する「サーベイ(Survey)」、各ギャラリーがブース内でテーマ別の展示を行う「カビネット(Kabinett)」、そして大規模な作品を集めた「メリディアンズ(Meridians)」では、フランクフルトの現代美術館ポルティクスの館長を退任予定のヤスミル・レイモンドが今年のキュレーターを務める。さらに今年は「カンバセーションズ・プログラム」も復活し、著述家のキンバリー・ブラッドリーが企画を行う。なお、カビネットとメリディアンズの詳細は後日発表される。
ノヴァ部門の参加ギャラリーは、チャールズ・モフェット、ケンドラ・ジェイン・パトリック、ペクォッドCo.、シルバーレンズ、ソフト・オープニング、ギャラリー・ヴェイカンシー、ウェランコラなど。ポジションズ部門はセバスチャン・グラッドストーン、ゴードン・ロビショー、ジプサム・ギャラリー、ペアナ、プロイェクトス・ウルトラヴィオレタ、ヴァーヴなど。そしてサーベイ部門には、ルイス・デ・ヘスス、チャーリー・ジェームズ・ギャラリー、ライルズ&キング、PKMギャラリー、ライアン・リーが出展する。
フィンは自らが初指揮するフェアへの期待をこう語った。
「今年のフェアには、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各国から力量のある素晴らしいギャラリーが参加します。ノヴァ、ポジションズ、サーベイ各部門に出展するギャラリーからの提案も非常に質が高く、意欲的です。そして、メインセクションの参加ギャラリーが、世界有数のアートマーケットであるアート・バーゼル・マイアミ・ビーチに最高レベルの作品を出展するのは間違いありません」(翻訳:石井佳子)
* 出展者一覧
from ARTnews