ルイ22世を名乗る男がイーロン・マスクのあの肖像画を彫刻に! 「ミームを面白おかしく表現したかった」
テスラのサイバートラックにけん引されるイーロン・マスクの胸像がテキサス州で目撃された。仮想通貨ElonRWAを作り上げたフランス人起業家、ルイ22世が考案したこの彫刻は数年前に拡散されたインターネットミームを元に作られている。
イーロン・マスクの彫刻がサイバートラックにけん引され走り回っている様子が、テキサス州ブラウンズビルの街中で目撃された。ブラウンズビルは、マスクが創業したスペースXの本社ビル「スターベース」と、X(旧Twitter)の本社からほど遠くないところに位置している。
「人々の記憶に残るようなユニークで笑えるものを世に送り出したいという考えがありました」と語るのは、この彫刻を仕掛けた「ルイ22世」と名乗る男性だ。
ルイ22世はミームコイン(*)ElonRWAの創設者でもあるという。この仮想通貨は、FeistyDAOと呼ばれる分散型自律組織(DAO)上で取り引きされており、イーサリアムの第2層でトークン化(資産化)された「real world asset meme(現物化されたミーム)」だという。
ルイ22世によるとこの彫像は、スペースXの創業者であるイーロン・マスクを描いたお世辞にもうまいとは言えない肖像画に端を発したネットミームを、多くの人に見てもらうために制作したという。元ネタである肖像画は、イーロン・マスクがXにおいて何度も反応しコメントを残したことから、SNS上で拡散された。
「この彫刻によって、ElonRWAの価値が上下することはありません」と、ルイ22世は言う。「ただ単にイーロンのミームを異なる形で面白おかしく表現したかったのです」
高さおよそ3メートルに及ぶマスクの彫刻の着想は、ルイス22世と彼のチームが、Redditに投稿された肖像画の上部に「Occupy Mars(火星を占拠せよ)」と書かれた壁画の制作を発注した際に得たという。この壁画は、同じくブラウンズビルに拠点を置くアーティスト、カルロス・マヌエル・ゲレロによって制作されたことがARTnews US版の取材によって判明している。
「多くの人たちと接点をもちたいと思っていました」と語るルイ22世は、こう続ける。「普段はPCの前に座ってXを徘徊して人々とつながることしかできませんでした。どうすれば現実世界において爪痕を残せるかと考えた結果が、このミームを現実世界に放つことだったのです」
ルイ22世はFeistyDAOのメンバーであるlil_dojoに肖像画を3Dに起こすよう依頼し、ユタ州の企業に彫刻を制作するよう発注したという。lil_dojoはまた、マスクの肖像画と付属の非代替性トークン(NFT)をRedditのユーザーから買い取っている。
完成までに1カ月を要したというこの彫刻は、金属ではなく発泡スチロールとグラスファイバーで作られており、成形後、銅色に塗られたという。
ある調査結果によれば前四半期のNFTの売上額は45%減少したというが、ルイ22世はさほど気にしていないようだ。NFT関連の詐欺がメディアに取り上げられているなか、ElonRWAは「信頼できるNFTプロジェクトを発表することを目的としている」といい、ルイ22世は長い目でその未来と可能性を見据えているようだ。
「市場の動向や外野のことはまったく気にしていません。みんなが前向きになれるようなプロジェクトを発表しながら、ぼくらも楽しみたいんです。時間をかけて真に価値のあるプロジェクトを同じ方向を向いている人たちと立ち上げれば、何かしらの見返りは必ずあると確信しています」(翻訳:編集部)
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