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  • 2024.09.06

今週末に見たいアートイベントTOP5: 内藤礼展が2会場で展開、フェミニズムにおける映像表現の歴史を振り返る

関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

「開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ」展(東京都現代美術館、2024年)展示風景 撮影:谷岡康則

1. きおくの未来 : アジア、日本の美術と戦後の暮らし(nca | nichido contemporary art)

Photo by Kei Okano / nca | nichido contemporary art

日本の近代美術とアジアの新鋭作家の対話

台湾出身のキュレーター、タカモリ・ノブオのキュレーションによるグループ展。本展では日動画廊が取り扱う日本近代作家と、アジアの現代作家の作品を一堂に紹介する。テーマに基づき、近・現代の作品を並列することで、時間や地理を超え、アジアの歴史や現代の諸問題をさまざまな視点から対話する場を築きあげる。

コレクションから香月泰男、宮崎進、木村忠太、三岸節子、平野遼、脇田和などの戦後日本美術の作品が展示されるほか、現代美術家の磯村暖、アジア各国の現代アーティストらが参加する。

きおくの未来 : アジア、日本の美術と戦後の暮らし
会期:7月20日(土)~ 9月14日(土)
場所:nca | nichido contemporary art(東京都港区六本木7-21-24 102)
時間:11:00 〜19:00
休館日:日月祝

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2. 開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ(東京都現代美術館)

「開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ」展(東京都現代美術館、2024年)展示風景 撮影:谷岡康則

開発流アクティビズム「ひとり民主主義」の世界

開発好明が日々の出来事や社会の変化に生身で向き合ってきた作品・プロジェクトから約50点を紹介する大規模個展。開発はそのキャリアの最初期となる1990年代より、日常生活や社会現象など身の回りの出来事への関心を起点に、コミュニケーションを内包、誘発する表現活動を継続してきた。

本展のみどころは、ドクメンタ9でのゲリラパフォーマンスや「365大作戦」など、ここでしか見られない初期活動の資料のほか、自分や友達に書いた手紙が1年後に届く「未来郵便局」や、「誰もが先生・誰もが生徒」を合言葉に授業が行われる「100人先生」など。疲れたらフェイクファーの公園で休憩できる。開発による「ひとり民主主義」の様々な世界を体験しよう。

開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ
会期:8月3日(土)〜11月10日(日)
場所:東京都現代美術館(東京都江東区三好4-1-1)
時間:10:00〜18:00(入場は30分前まで)
休館日:月曜(祝日は翌平日)


3. そこにある魔法:The Magic that exists around there(HARUKAITO by ISLAND)

制御出来ない現象から生まれるドローイングの世界

BIENはアニメーションに影響を受けた独自のドローイング表現を中心に、映像、彫刻、インストラクション、インスタレーションなどのメディアを横断し作品を制作している。

本展ではパリのリトグラフプリントスタジオに滞在し制作した80枚のオリジナルプリント作品から一部を展示する。リトグラフの、自身ではコントロールしきれない現象を作品に生かしたことで、同じ版でもすべてのプリントの表情が違うモノタイプと呼ばれる作品群が完成している。「ドローイングの周りにある色たちが、(リトグラフの)石板のうえで起きたこの世界の自然の現象のようなものだとしたら、それを避けるようにして見えてくるドローイングは、人類が獲得したイメージという他にないパラレルなもう一つの世界である」とBIENは語る。

そこにある魔法:The Magic that exists around there
会期:8月31日(土)〜9月22日(日)
場所:HARUKAITO by ISLAND(東京都渋谷区神宮前6-12-9)
時間:13:00〜19:00
休館日:月火水


4. フェミニズムと映像表現(東京国立近代美術館)

「フェミニズムと映像表現」より  ダラ・バーンバウム《テクノロジー/トランス フォーメーション:ワンダーウーマン》1978-79年  Courtesy of Electronic Arts Intermix (EAI), New York

ヴィデオとともに広まったフェミニズムの歴史を紹介

ヴィデオ・カメラの登場と同時期に、世界各地に広まった社会運動。その中で英語圏を中心に大衆的になったのがフェミニズムだった。本展はコレクションの中から女性アーティストたちが抱いていた問題意識を社会に発信し始めた1970年代から現代までの映像表現を、作品鑑賞の補助線となるいくつかのキーワードを通じて紹介する。

キーワードは、 ダラ・バーンバウムの作品など性役割のステレオタイプに切り込む「マスメディアとイメージ」、ヴィデオ・カメラの普及で生まれた身の回りの題材や個人的要素を反映した作品「個人的なこと」、身体表現を探求した「身体とアイデンティティ」、発話という新しい芸術表現に着目した「対話」。

フェミニズムと映像表現
会期:9月3日(火)~12月22日(日)
場所:東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園)
時間:10:00〜17:00(金土は10:00〜20:00、入館は30分前まで)
休館日:月曜(祝日は翌平日)


5. 「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」(銀座メゾンエルメス フォーラム)

内藤礼 | 《無題 》2024年 | 花、水、ガラス瓶 撮影:畠山直哉

2つの会場で展開する内藤礼の大規模個展

「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」を、一貫した問いとして作家活動を続けてきた内藤礼の個展。東京国立博物館で9月23日まで開催されている同名の展覧会と一連の流れを持って構想されたもので、会期を一部重ね合わせながら、ひとつの大きな円環を描くというかたちで展開されている。

一見、空っぽのようにも感じられるが、街の人工の光や色彩に満ちた展示空間に、内藤は光のうつろいによって一層はかなく、また色濃く感じられる生への眼差しをこの場所へ宿らせている。作品の断片や空気、眼差しの間に交差する時空を形成し、空間に佇む人や低い位置に設置された《座》に身を寄せる人の姿を通して、超越的な協和を浮かび上がらせる。

「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」
会期:9月7日(土)~2025年1月13日
場所:銀座メゾンエルメス フォーラム(東京都中央区銀座5-4-1)
時間:12:00~19:00(入館は30分前まで)
休館日:水曜

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