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人工知能で辛口評論家が蘇る!? 歴史ある英紙がゴッホ展のレビューから導入

2015年に死去した辛口美術評論家のブライアン・シューウェルを人工知能(AI)で復活させる取り組みがイギリスの週刊紙ロンドン・スタンダード(旧:イブニング・スタンダート)で計画されている。発行部数の減少から同紙は編集部員70名を含む150名を解雇しており、今回のAI導入に対する疑問の声が従業員から上がっている。

ブライアン・シューウェル。1985年に撮影。Photo: Tim Roney/Getty Images

2015年に84歳で亡くなったブライアン・シューウェルは、イギリス国内で最も恐れられていたと同時に、尊敬されていた美術評論家だった。そんな彼の死から10年が経とうとしている今、シューウェルの舌鋒鋭い論評を再び読める可能性が浮上している。

もちろん彼自身が生きていたわけでも、過去記事が再掲載されるわけでもない。シューウェルが30年以上寄稿していた歴史ある夕刊紙、ロンドン・スタンダード(旧:イブニング・スタンダート)が人工知能(AI)に彼の記事を学習させ、AI評論家を誕生させようとしているのだ。

いくつかの情報源によると、AI版のシューウェルは、ナショナル・ギャラリーで開催されるフィンセント・ファン・ゴッホの展覧会「Van Gogh: Poets and Lovers」のレビュー記事を執筆するという。

ある人物は、AI版シューウェルを開発し実装する計画は、スタンダード紙において最重要事項であり、同紙のオーナーであるエフゲニー・レベデフと協議の上で話し合われたと語る。US版ARTnewsはスタンダード紙の編集長を務めるディラン・ジョーンズにコメントを求めたが、返答は得られなかった。

スタンダード紙は発行部数の減少を受け、9月中旬に日刊紙の発行を停止し、週刊紙に変わったと同時に、編集部員70名を含む150名の従業員をレイオフ(一時解雇)している。そうした背景もあり、スタッフたちは、今回のAI評論家の導入に忌避感を示しているようだ。

イギリスで最も高圧的な美術評論家として知られたシューウェルは、ダミアン・ハーストの展覧会を「嫌悪すべきもの」と評し、バンクシーのことは「産み落とされた瞬間に殺されるべきだった」と切り捨てた。また、かつて「一流の女性アーティストは存在しない」「美の偉大さを表現できるのは男性だけだ」と性差別的な発言で物議を醸したこともある。

シューウェルは批評記事の執筆以外にもイギリスのテレビ番組にレギュラー出演しており、2005年には『Brian Sewell's Grand Tour』と題されたドキュメンタリー番組のメインパーソナリティを務めていた。(翻訳:編集部)

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