アイヌの伝統芸術と現代アートの交流を楽しむ祭典が開催!「阿寒アイヌアートウィーク」の見どころ
北海道釧路市の阿寒湖温泉と阿寒湖アイヌコタンを舞台とした芸術祭「阿寒アイヌアートウィーク(AKAN AINU ARTWEEK)」が11月23日からスタートする(12月15日まで)。アイヌが育んだ豊かな芸術と現代アートが融合する展覧会が開催されるほか、体験ツアーや舞台芸術などのプログラムも充実。知られざるアイヌの伝統文化に触れられる3週間だ。
11月23日から12月15日までの約3週間、北海道釧路市の阿寒湖温泉と阿寒湖アイヌコタンを舞台としたアートの祭典「阿寒アイヌアートウィーク(AKAN AINU ARTWEEK)」が開催される。
釧路駅から車で約1時間半。荘厳な木彫りのアーチをくぐった先に、創り手の街・阿寒湖アイヌコタンは広がっている。「すべてのものに魂が宿る」という信仰を日常として、1959年からアイヌ民族の豊かな衣食住と芸術を受け継いできた北海道有数のコタン(集落)だ。アイヌ文様の木彫があふれる街並を越えた先には、阿寒湖の大自然が待っている。そこにはヒメマスやワカサギが生息し、湖畔に生い茂る草木をエゾシカが食べるという共生の風景がある。
阿寒アイヌアートウィークは、この大自然を舞台にアイヌ工芸と多様な背景を持つ現代アートが混じり合う約3週間。先祖やカムイへの敬意を表す木彫や刺繍、古式舞踊といったアイヌの伝統と進化を広く紹介するとともに、アイヌコタンの豊かな日常に触発されて滞在制作を行った多彩なアーティストたちの新作も披露する。会期中は阿寒アイヌアートウィークをより楽しめる体験ツアーや舞台芸術などのプログラムも、開催エリアの各所にて展開されている。
今回のテーマは「創造のラタㇱケㇷ゚:混じり合うアイヌ文化と芸術」。野草や野菜を混ぜ合わせるアイヌの郷土料理「ラタㇱケㇷ゚」のように、創り手の魂と魂、伝統芸術と現代アートの交流を楽しむという実験的な祭典。創り手同士の新たな出会いを耕し、伝統と文化を次の100年へと繋ぐ試みだ。
メインビジュアルは、アイヌの作家が阿寒湖周辺で採集した自然素材をもとに、デザイナーであり採集者の𠮷田勝信が拓本を制作。札幌市に拠点を持つCommune Inc.が、ひとつのビジュアルへと落とし込んだものだ。ビジュアルのみならず制作プロセスそのものも、阿寒アイヌアートウィークの重要なキーワードである「多様な背景」や「文化の交差」を体現している。
阿寒アイヌアートウィーク
会期:11月23日(土)〜12月15日(日)
場所:阿寒湖アイヌコタン周辺(北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉)
時間: 施設により異なる