今週末に見たいアートイベントTOP5: 半世紀にわたる杉本博司の写真表現を総覧、ブックデザインの巨匠イルマ・ボームの仕事に迫る
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

1. ジョナス・メカス / 吉増剛造(Take Ninagawa)
2人の巨匠の対話の軌跡
戦後実験映画の先駆者、ジョナス・メカス(1922-2019)と、今年「サーペンタイン × FLAGアートファンデーション賞」を受賞した、1939年生まれの 詩人・アーティスト吉増剛造による2人展。2人は長年親交があり、作品に時折互いを登場させるなど影響を与えあってきた。
本展は、メカスが吉増とともに日本を旅する様子を16ミリフィルムで記録した 《On My Way to Fujiyama I Saw…》 (1996) や、吉増が撮影時の情景をポラロイド写真の裏面に記した「瞬間のエクリチュール」(1999–2000) シリーズなどを展示。詩性と偶然性の交わる地点に日記的表現を見出してきた、2人の巨匠の眼差しと対話の軌跡を辿る。
ジョナス・メカス / 吉増剛造
会期:5月16日(土)〜7月11日(土)
場所:Take Ninagawa(東京都港区東麻布 2-14-8 )
時間:11:00〜19:00
休廊日:日月祝
2. 井口皓太 モーショングラフィックス(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)
動的デザインの可能性
映像デザイナー/クリエイティブディレクターとして活動する井口皓太の個展。2008年に株式会社TYMOTEを設立し、2013年にはクリエイティブアソシエーションCEKAIを立ち上げた。東京とニューヨークを拠点に活動し、映像、広告、インスタレーションなど多様な領域でプロジェクトを展開している。2020年に開催された東京オリンピック・パラリンピック開会式の「動くスポーツピクトグラム」の制作を担当したことでも広く知られる。
本展では、平面として存在してきたグラフィックデザインに「時間」と「動き」を与える井口の実践に焦点を当てる。1階ではグラフィックデザイナーの石井伶、グラフィックデザイナー・タイポグラファーの三重野龍、デザイナー佐々木拓/金井あきとの協働による新作を展示し、幾何学、文字、紙といったグラフィックデザインの基礎的要素を再検証する。地下会場では井口とCEKAIによる代表的なプロジェクトを紹介し、モーショングラフィックスの展開を振り返る。
井口皓太 モーショングラフィックス
会期:5月26日(火)〜7月4日(土)
場所:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F・B1F)
時間:11:00〜19:00
休館日:日祝
3. 『ブック・アクティビスト』 Irma Boom: Book Activist 展(ATELIER MUJI GINZA)
本の常識を書き換えたブックデザイナーのしごと
MUJI BOOKSの10周年を記念して開催される、オランダのブックデザイナー、イルマ・ボームの企画展。ボームはアムステルダム国立美術館やニューヨーク近代美術館(MoMA)、プラダ財団、テート・モダンなどの出版物を手がけ、これまでに500冊を超える書籍をデザインしてきた。1992年からはイェール大学で教鞭を執り、グーテンベルク賞やヨハネス・フェルメール賞(オランダ王立芸術賞)などを受賞している。本展はアジア初の展覧会となる。
会場では、本展にあわせて刊行されたボームの著書『ブック・アクティビスト』をはじめ、美術館所蔵の代表作や、制作過程で生まれた模型・試作本、さらに製紙会社と共同開発した、極めて薄く裏写りしにくい「IBOペーパー」などが展示されている。あわせて、ボーム自身の言葉や制作プロセスも紹介され、「紙の本」が持つ物質性や造形性、情報を伝えるメディアとしての可能性が多角的に示されている。会期中には、本をテーマとしたさまざまな関連イベントの開催も予定されている。
『ブック・アクティビスト』 Irma Boom: Book Activist 展
会期:6月5日(金)〜8月23日(日)
場所:無印良品 銀座 ATELIER MUJI GINZA Gallery1・2(東京都中央区銀座3-3-5 6F)
時間:11:00〜21:00
休館日:店舗に準じる
4. もはやない国のかつてない光 東ドイツの女性写真家たち(神奈川県立近代美術館 葉山)
歴史の陰に埋もれた、東ドイツの女性写真家15人のまなざし
1990年のドイツ再統一により消滅した東ドイツ(ドイツ民主共和国)で活動した女性写真家たちを紹介する展覧会。これまで日本で紹介されるのは旧西ドイツ出身の作家が中心だったが、本展ではライプツィヒ美術大学で学んだ写真家たちを軸に、東ドイツにおける写真表現の一側面に光を当てる。同時に、当時の社会の姿や人々の日常を知る機会にもなる。
展示は、日本での公開は初となるベルリンのコレクター、スヴェン・ヘアマンが所蔵するヴィンテージ・プリント・コレクションを軸に構成される。ティーナ・バーラ、ジビレ・ベルゲマン、ヘルガ・パリス、グンドゥラ・シュルツェ・エルドヴィら15人の作家を取り上げ、さらに再統一後、近年の映像作品までを網羅的に紹介する。
もはやない国のかつてない光 東ドイツの女性写真家たち
会期:6月13日(土)〜8月30日(日)
場所:神奈川県立近代美術館 葉山(神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1)
時間:9:30〜17:00(入場は30分前まで)
休館日:月曜(7月20日を除く)
5. 杉本博司 絶滅写真(東京国立近代美術館)
約60点で辿る杉本博司の写真表現
写真を出発点に、建築や舞台芸術、古美術など幅広い分野で活動を展開してきた杉本博司の個展。タイトルに掲げられた「絶滅写真」は、デジタル化によって主流の座を譲った銀塩写真への意識から名付けられたものだという。国内の美術館において写真作品を中心に構成される個展としては、2005年の森美術館以来となる。
本展では、1970年代後半の初期作品から現在に至るまでの銀塩写真約60点を展示。「ジオラマ」「劇場」「海景」「建築」「観念の形」「Opticks」など全13シリーズによって構成される。なかでも「ジオラマ」では、新作《ポコット族》を含む作品群をまとめて紹介するほか、所蔵品ギャラリーでは未公開資料「スギモトノート」も公開。半世紀にわたる杉本の写真表現を総覧する内容となっている。
杉本博司 絶滅写真
会期:6月16日(火)〜9月13日(日)
場所:東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)
時間:10:00〜17:00(金土は20:00まで、入場は30分前まで)
休館日:月曜(7月20日を除く)


































