謎多きヌラーゲ文明で「巨人の墓」が出土──異例の二層構造が古代の埋葬・建築技術を読み解く鍵に
イタリアのサルデーニャ島で、これまで知られていなかった古代の大規模な墓が見つかった。これは、謎に満ちたヌラーゲ文明の「巨人の墓」として知られる巨石建造物の1つで、従来には見られない特徴があるという。

イタリア・サルデーニャ島中部、マコメル近郊にある古代のヌラーゲ遺跡カッラルツ・イッディア(Carrarzu Iddia)で、新たな巨石墓が出土した。ヌラーゲとは円錐形の塔を持つ巨石建造物で、ヌラーゲ文明の名の由来となったものだ。サルデーニャにはヌラーゲが7000以上あるとされる。
イタリアのアートメディア、フィネストラ・スラルテ(Finestra Sull’Arte)の報道によると、青銅器時代にさかのぼるこの大規模な墓は、サルデーニャで「巨人の墓」として知られるものの1つ。発掘は、同地で以前から調査を続けている考古学・美術関連の2団体によって行われた。
サルデーニャ島では、紀元前1800年頃から1000年ほどにわたってヌラーゲ文明が栄えた。今回見つかった巨石墓も、この文明で建造された集団埋葬場所と見られる。しかし、これまで鬱蒼とした茂みや瓦礫などに覆われていたため、その存在は知られていなかった。
出土した墓には、埋葬室と半円形のエクセドラ(入口付近の空間)があり、エクセドラに人々が集まって先祖を祀る儀式を行っていたという。この構造は、ヌラーゲ文明の埋葬用建造物を形成する要素として次第に定着していったことが分かっている。
今回、発掘を指揮する考古学研究者たちが注目したのは、埋葬室が上下二層に分かれている点だ。これまでほとんど見られない特徴で、ヌラーゲ文明の埋葬儀礼や建築技術などを解明する新たな手がかりになる可能性があると前出のアートメディアは伝えている。
巨石墓の内部で見つかった陶器から、研究者らはこの建造物がヌラーゲ文明の初期にまでさかのぼるものと考えている。これは、他の墓や井戸、集落など、近隣でヌラーゲ文明以前の遺構が出土していることとの整合性もある。
なお、カッラルツ・イッディア遺跡の南西50キロほどにあるモンテプラマでは、1974年に農夫が鉄器時代の巨大石像を見つけ、その後、数千もの破片から数十体の石像が復元されている。また、島南部にある最大級のヌラーゲ「スー・ヌラージ」は、1997年にスー・ヌラージ・ディ・バルーミニ(バルーミニのスー・ヌラージ)としてユネスコの世界遺産に登録された。(翻訳:石井佳子)
from ARTnews
