ボランティアダイバー、難破船遺跡で3000年前の剣を発見──「極めて重要な発見」と専門家

イギリス南西部、デヴォン州沖の難破船遺跡から、青銅器時代の剣が引き揚げられた。約3000年前のものとみられ、同地域が海上交易の拠点だったことを示す重要な発見だという。

イギリスの保護指定難破船遺跡から発見された青銅器時代の剣。Photo: via Facebook/South West Maritime Archaeological Group
イギリスの保護指定難破船遺跡から発見された青銅器時代の剣。Photo: via Facebook/South West Maritime Archaeological Group

イギリス南西部、デヴォン州南部沖の海底から、3000年前に作られたとされる青銅器時代の剣が発見された。この剣は紀元前1300年頃から800年頃のものと推定され、刃の一部は摩耗しているものの、全体として極めて良好な状態を保っている。考古学者たちは、この発見がサルコム沖一帯が先史時代の航海や交易の重要な拠点だったことを改めて示すものだとみている。

この剣は、サルコム・キャノンとムーア・サンドの保護指定難破船遺跡群から引き揚げられた。発見したのは、イギリス文化・メディア・スポーツ省が所管する公的機関ヒストリック・イングランドの助成を受け、調査を進めていたサウスウェスト海洋考古学グループ(SWMAG)のボランティアダイバーだ。発見者のひとりであるキャサリン・ギルは、考古学メディア、Heritage Dailyの取材に次のように語った

「海底から引き揚げた剣が青銅器時代のものだとわかったときの高揚感は、言葉では言い表せません。誰がこの剣を作り、どのように使うつもりだったのか、そして3000年近く前にこの剣を手にしていたのは誰だったのか、想像せずにはいられません」

保護指定を受けているサルコム・キャノンとムーア・サンドの難破船遺跡では、ここ数十年にわたり、青銅器時代の剣や斧頭、金の腕輪、金の延べ棒、そのほか400点を超える金製品など、先史時代の遺物が数多く発見されている。これらは、青銅器時代に沈没した1隻、あるいは2隻の船に積まれていた可能性があるという。こうした発見は、当時のサルコム沖が、イギリス各地の沿岸共同体とイギリス海峡対岸の地域を結ぶ、広範な海上交易ネットワークの一部だったことを示唆している。

大英博物館の学芸員を務めるニール・ウィルキンは、この剣について、サルコム遺跡の歴史を解き明かすうえで「極めて重要な発見」だと評価した。約3000年前のイギリス沿岸で行われていた航海や交易、人と物の移動を知るための新たな手がかりになるという。

剣は現在、長年海中にあったことで劣化が進みやすい状態になった金属を安定させるため、専門家による保存処理を受けている。処理が完了した後は大英博物館に寄贈され、詳細な科学分析を経て、国の考古学コレクションの一部として収蔵される予定だ。

あわせて読みたい