ジョニー・デップがアートでキャリア再始動。親密な著名人をモデルにした版画シリーズを発売
俳優のジョニー・デップは、ヒース・レジャーやボブ・マーリーなどの著名人をモデルに描いたシルクスクリーンを、ロンドンのギャラリーCastle Fine Artで発売した。
デップがヒース・レジャーとボブ・マーリー、リバー・フェニックス、ハンター・S・トンプソンを描いた4点セットの作品《Friends & Heroes II》は、デップのサイン入りで1万7500ポンド(約285万円)となっている。当初は1枚5400ドル(約74万円)で販売し、用意した780枚は完売した。
今回の発売に先立ち、昨年、キース・リチャーズ、アル・パチーノ、ボブ・ディラン、エリザベス・テイラーなどを描いた、デップのサイン入りシルクスクリーン《Friends & Heroes》を1枚4740ドル(約65万円)で販売したが、こちらも完売している。
Castle Fine Artのウェブサイトには、「作品には、デップとモデルの親密さが反映されており、デップを前に、彼らがどのように自らをさらけ出したかが描写されています。それぞれのイメージを、よりシンプルな描写に落とし込み、彼ならではの華やかな描線で活力を与えています」とある。
同サイトのアーティストプロフィールには、デップがケンタッキー州生まれで、フロリダ州のミラマー高校を卒業し、俳優業ではピープルズ・チョイス・アワードの映画アイコン賞をはじめ数々の賞を受賞。「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム」で星形プレートを設置していると記されている。
「俳優としてのデップは、深いリサーチとキャラクター設定へのこだわりで知られています」と、同サイトの彼の経歴には書かれている。「彼は人間の行動を研究し、自分が創り出すキャラクターに織り込んできました。その結果、レーザー光線のような鋭い観察力と、微妙なニュアンスを見抜く力が身についたのです。デップはこの技術をアートに生かし、彼にインスピレーションを与え、人生の流れを変えた人々に対する信頼を深く描き出しています。作品を眺めていると、モデルが持つ最も強い個性や、デップと彼らが共有した時間や思い出がどのようなものであったのかが浮かび上がってきます」
デップは、元妻アンバー・ハードから家庭内虐待を訴えられ、度重なる法廷闘争を経験している。コラムで「妻を殴る男」と書いたイギリスのタブロイド紙、ザ・サンに対する名誉毀損裁判で敗れた後、昨年バージニア州でハードに対する2度目の名誉毀損裁判に勝利した。
それらの騒動がひと段落した現在は、俳優としてのキャリアを回復させようとしているところだ。アル・パチーノがプロデュースする、イタリアの画家アメデオ・モディリアーニの伝記映画『Modigliani(モディリアーニ)』で、四半世紀ぶりに監督することも決まっている。(翻訳:編集部)
from ARTnews