LVMH会長兼CEOのベルナール・アルノー、純資産額26兆円で世界一の富豪に。背景にラグジュアリーブランドの堅調な需要
4月4日、ブルームバーグが発表したビリオネア指数で、ルイ・ヴィトンやディオール、ティファニーなどのラグジュアリーブランドを擁するフランスのコングロマリット、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の会長兼CEO、ベルナール・アルノーが、純資産総額2010億ドル(約26兆4752億円)で首位に立った。
アルノーは毎年US版ARTnewsが発表しているトップ200コレクターの常連でもある。
これまで純資産額が2000億ドルの大台を突破したのは、テスラCEOでツイッターのオーナー、イーロン・マスクとAmazon.comの共同創設者で取締役会長のジェフ・ベゾスで、アルノーはアメリカ人以外で初めての記録となる。
2022年12月、74歳のアルノーの純資産額は初めてマスクを上回り、世界一の富豪となった。マスクは先月、その座を奪還したが、アルノーは現在、再びその座に返り咲いた。高級品の需要が堅調に推移する中、彼のLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)帝国は、ハイテク企業よりも良好な経営状況を続けている。その結果、ブルームバーグによると、アルノーの純資産は2023年だけで390億ドル(約5兆1369億円)のプラス。まだ第2四半期を迎えたばかりだが、今後、何が彼の資産を増加させるのか、興味深いところだ。
LVMHの株価は4月4日現在で、186.15ドル(2万4千526円)と過去最高を記録している。それはなぜだろうか。2月、LVMHは16億ドル(約2108億円)の自社株買いを行うと発表した。さらに、昨年も過去最高の864億ドル(約11兆3833億円)を計上し、その中にはルイ・ヴィトンの218億ドル(約2兆8722億円)を超える収益も含まれている。アルノーは、ディオール、ロロ・ピアーナ、セリーヌ、ブルガリ、そして2021年にLVMHが158億ドル(約2兆816億円)で買収したティファニーを含む75の高級ブランドを所有している。
ファンドマネージャー、M&Aデスク、そしてブルームバーグの調査に参加したアナリストは、今後のLVMHの動きについて、「中小企業にとって厳しい競争環境の中で、ライバルブランドを買収する」と予想する。現在積極的に買収を行っているコングロマリットは、LVMHだけではない。最近の例では、ロレアルがオーストラリアのスキンケアブランドAesopを25億ドル(約3293億円)で買収している。アルノーは、買収を狙う小規模なブランドの名前を明かしていないが、今後の動きに目が離せない。(翻訳:編集部)
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