農園にホワイトキューブ? 2024年ヴェネツィア・ビエンナーレのオランダ館代表は、アートで開発支援を実現するコレクティブに決定
2024年に開催されるヴェネチア・ビエンナーレのオランダ館代表アーティストに、コンゴ民主共和国の植民地支配などをテーマに活動するアートコレクティブ、Cercle d'Art des Travailleurs de Plantation Congolaise(CATPC)と、彼らと協力関係にあるアーティストRenzo Martensが選ばれた。
2014年にアフリカ・コンゴのルサンガで設立されたCATPCは、世界中のプランテーションから入手したカカオを材料に彫刻を制作することで知られている。これらの作品の売り上げは、コンゴの農業支援などに使われてきた。作品はニューヨークのスカルプチャーセンター、シドニービエンナーレ、セネガルのダクアートビエンナーレなどで展示され、世界的に高い評価を得ている。
CATPCは、アムステルダムとキンシャサを拠点とするRenzo Martensが設立した組織「Institute for Human Activities」と長い間協力関係にあるが、それについては定期的に批判を浴びている。ガーディアン紙の記者は、ヨーロッパ系白人であるMartensを「ジャングルを高級化しようとしている」と非難したことがあるが、Martensはこのコラボレーションを、経済的不平等とオランダの植民地支配を是正するためのものと説明している。
CATPCは2024年のヴェネチア・ビエンナーレでの展示に加え、彼らが運営するルサンガのアートスペース「ホワイトキューブ」でも展覧会を同時開催する予定だ。ビエンナーレの発表によると、この2つの展覧会は「つながりがあり、互いを反映したものになる」という。
CATPCのメンバーであるCed'art Tamasalaは声明で、以下のようにコメントしている。
「農園に、アート界の頂点にあるホワイトキューブを置いた私たちの作品は、この2つの世界の間の経済的な不平等と植民地支配の歴史を直視するために制作しました。異なっているが関連している、これらの現実が同時に目の前に立ち現れることで、有意義で誠実な考察が生まれると考えています。この展示を通して、私たちは共有に値する真実への旅の最終段階を迎えることになるでしょう」
オランダパビリオンの企画は、マーストリヒトにあるヤン・ファン・エイク・アカデミーのディレクター、ヒチャム・ハリディが担当する。
2024年のオランダ館は、最も多くの人が訪れるジャルディーニに設置されることが決まった。昨年はエストニアにパビリオンを譲り、ビエンナーレのメイン会場から遠く離れた、13世紀の教会跡でメラニー・ボナホの展覧会を開催している。(翻訳:編集部)
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