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キース・ヘリングが大学の壁に油性マーカーで描いた絵、40年を経て常設展示へ

  • 2022年9月26日
  • INTERNATIONAL

Text: Alex Greenberger

ニューヨーク州アナンデール=オン=ハドソンにあるバード大学は、総額 320万ドルの寄付を受けたのを機に、40年以上前にキース・ヘリングが学内の壁に書いた絵を移動して恒久展示することになった。

キース・ヘリングが壁に描いた無題のドローイング(1981) ©Keith Haring Foundation

1981年に壁に描かれた無題の作品には、ヘリングのシンボル的な絵柄、ラディアント・ベイビーが5つ並んでいる。この絵は、同大学のセンター・フォー・キュラトリアル・スタディーズ(CCS)で常設展示される計画だ。CCSの修士課程と附属美術館は評価が高いことで知られる。

バード大学の発表によると、作品の移動と展示はキース・ヘリング財団による80万ドルの助成金を利用して行われる。なお、CCSには投資家のジョージ・ソロスとマリールイーズ・ヘッセル財団も寄付金を提供している。

CCSのエグゼクティブ・ディレクター、トム・エクルズはARTnewsの電話取材に対し、壁のドローイングはトム・ウルフ教授(美術史)の研究室に長年置かれていたものだと説明した。ヘリングは80年代初めにバード大学に招かれ、グラフィティの倫理的側面について講演を行っている。そのとき即興で油性マーカーを使い、この絵を描いたという。

作品を移動する計画は、ウルフ教授の定年退職を前に始動した。「教授は絵が描かれた部分の壁を切り取って保存していました。ずっと研究室に置かれていましたが、今後は修復したのち、(CCSの)図書館に設置する予定です」とエクルズは語る。

一連の寄付金をもとに、CCSは当初5年間の事業として立ち上げた「アートとアクティビズムにおけるキース・ヘリング・フェローシップ」を恒久的な事業とすることも決めている。2022-23年度のフェローには、エジプト人文筆家のヘイザム・エル・ワーダニが選ばれた。

このフェローシップでは、フェローを招いて講義と研究を行うことから、 「アートにおけるアクティビズムとは何かということだけではなく、それがさまざまな文脈でどのように機能するかということを、学部生や院生が学ぶ機会になります」とエクルズは述べている。(翻訳:清水玲奈)

※本記事は、米国版ARTnewsに2022年9月21日に掲載されました。元記事はこちら

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