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止まらぬ環境活動家の名画攻撃、世界の美術館館長90人超が非難

国際的な非政府組織、国際博物館会議(ICOM)が、90以上の美術館・博物館の館長が署名した共同声明を発表。美術品を標的とする環境活動家の行動を非難している。

メトロポリタン美術館(ニューヨーク)の建物正面に展示されたワンゲキ・ムトゥの彫刻作品。Photo: Eddie Knox/©2021 Oxford Films

美術館・博物館での抗議活動を非難する声明に署名したのは、ルーブル美術館(パリ)のローランス・デ・カール館長、プラド美術館(マドリード)のミゲル・ファロミール館長、大英博物館(ロンドン)のハートウィグ・フィッシャー館長、グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)のリチャード・アームストロング館長、マウリッツハイス美術館(デン・ハーグ)のマルティーヌ・ゴッセリンク館長、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)のマックス・ホレイン館長など。

11月10日に発表された声明は、美術館で抗議を行う活動家は、かけがえのない美術品の「脆弱さを著しく過小評価するもの」だと指摘している。

美術館で気候変動対策を訴える抗議活動は、英国の環境活動団体ジャスト・ストップ・オイルが名画の額縁に手を貼り付ける行動を始めたことで広く知られるようになった。こうした活動はドイツ、オーストラリア、スペイン、イタリアにも拡大し、最近ではクロード・モネフィンセント・ファン・ゴッホの作品に液体が投げつけられるなどエスカレートしつつある。

ICOMの声明で館長たちは、「活動家による危険行為を深く憂慮」し、美術館・博物館は「社会的言論の場」であるとの立場を表明している。

この声明は、エジプトでCOP27(気候変動枠組条約第27回締約国会議)が開催されている中で発表された。COP27では約200カ国の代表が集まり、地球規模の気候変動対策への取り組みを議論している。なお、ICOMの声明は、気候変動をめぐる各国の政策には触れていない。

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