ARTnewsJAPAN

イギリス地方都市の文化施設で連続盗難事件。博物館では18世紀の銀器など多数被害に

5月14日の早朝、イギリス・シェフィールドにあるケルハム・アイランド博物館から、綿密な計画のもとで金属加工品12点が盗難された。現在、地元のサウス・ヨークシャー警察が捜索している。

5月14日、イギリス・ケルハム・アイランド博物館で盗まれた展示物。Photo: Courtesy of South Yorkshire Police

これはアート・ニュースペーパーが最初に報じたもので、サウス・ヨークシャー警察の声明によると、5月14日午前6時45分、犯人は博物館に押し入ったという。

シェフィールドは古くから鉄鋼業の中心地として知られており、同博物館ではこの地域の歴史に焦点を当てた特別展を開催していた。犯人はそれらの展示ケースを破壊し、1773年製の純銀製コーヒーポット、装飾が施されたマルチナイフ、4つの動物が彫られたステンレス製カトラリーなどを盗み出した。このうち数点は、シェフィールド・アッセイ・オフィスとケン・ホーリー・コレクション・トラストから貸し出されたものだ。

ケルハム・アイランド博物館を運営するシェフィールド博物館トラストのチーフ・エグゼクティブ、Kim Streetsは事件について、以下の声明を発表した。

「盗難された展示品は、シェフィールドの豊かな遺産を代表するものです。私たちは、この綿密に計画された盗難事件を深く悲しんでいます。盗難品のいくつかは、市場に出回る可能性が高いですが、非常に特徴的なのですぐに分かります。市民の皆さんに、回収に役立つ情報をサウス・ヨークシャー警察に提供いただけるよう求めています」

この地域の盗難事件は、ケルハム・アイランド博物館が初めてではない。2023年1月には、シェフィールド市の貴金属についての認証業務を担当するシェフィールド・アッセイオフィスが狙われ、4月には、ロザラムのクリフトンパークミュージアムで夜間に展示物が盗まれた。

シェフィールド・アッセイ・オフィスのAshley Carsonは声明で、「市内で強盗事件が相次いでおり、これらの犯罪を阻止する必要があります」と述べている。そして、ケルハム・アイランド博物館とアッセイ・オフィスから盗まれた品はかけがえのないものだが、そこまでの価値はないことを強調した。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい