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考古学者も驚愕! 巨大な中石器時代の穴をイギリスの遺跡で発見。宗教儀式に使われた可能性も

イギリスのベッドフォードシャーにある遺跡で、中石器時代の巨大な穴を考古学研究チームが発見した。穴は少なくとも25あると見られる。

中石器時代の巨大な穴の発掘現場(イギリス・ベッドフォードシャー)。Photo: Courtesy Mola

ロンドンにある考古学博物館(Mola)の研究チームによると、この穴は小川の流路だった場所を囲むように配置されており、なんらかの宗教的な役割を果たしていたと推測される。研究者チームは声明で、よく知られたストーンヘンジを含めても、ベッドフォードシャーの遺跡にはイングランドとウェールズ地方のどの遺跡より多くの穴があると興奮気味に伝えている。放射性炭素年代測定によると、この穴が作られたのは7700年から8500年前とされる。

「この時代に作られたという事実は非常に重要です。これほど大規模な中石器時代の遺跡は、イギリスにはほとんど例がありません。この時代のものとして見つかるのは、フリント石器か、たまに解体された動物の骨がある程度です」と、研究チームは説明する。

発掘された巨大な穴は、直径約5メートル、深さ1.8メートルほどの大きさで、側面はほぼ垂直になっている。また、ほとんどが一直線に並んでいることから、狩猟や食料の貯蔵に使われた可能性は薄いと見られる。

Molaのプロジェクト責任者、イヴォンヌ・ウォルフラム=マレーは英ガーディアン紙に、この発見はまったく予想外だったと語った。「かなり古いものであることは分かっていましたが、放射性炭素年代測定結果が出るまで、中石器時代に作られた穴があるとは思いもしませんでした。これに匹敵するような穴のある遺跡は、ほんの一握りしか知られていません」(翻訳:石井佳子)

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