バービー・ピンクは誰のもの? 色の商標登録にイギリス人アーティストがジョークで対抗
新作映画『バービー』の公開に合わせ、イギリス人アーティストのスチュアート・センプルが、「ピンキー(最もバービー的なピンク)」と名付けたアクリル絵の具を発売した。
スチュアート・センプルが発売した絵の具「ピンキー」は、マテル社が商標登録したバービーのシグネチャー・カラーを高品質のアクリル樹脂、蛍光増白剤、蛍光顔料をブレンドして再現したもの。この絵の具は、マテル社の従業員でも関係者でもなく、絵の具を同社に渡さないことを約束した人だけが購入できる。
センプルはこれまで、企業やアーティストが色彩を独占することに対抗してきた。2016年、アニッシュ・カプーアが「世界で最も黒い黒」と呼ばれるベンタブラックの独占芸術権を購入したことに対しては、「最もピンクなピンク」という名の顔料を制作して挑発。その後、ベンタブラックに似せた「ブラック3.0」を発表して物議を醸した。
センプルがそのほか手掛けた色には、ティファニー・ブルーの「TIFF」、イヴ・クラインのブルー「IKB」がある。クラインの本来のIKBはインターナショナル・クライン・ブルーの略だが、センプル版は、インクレディブル・クラインリッシュ・ブルー(信じられないほどクライン的な青)の略と説明している。彼はまた、AdobeやPantoneから色を購入することに対して、1280色を無料で提供するプラグインFreetoneを作成した。そこには、これまでセンプルが発表した色も含まれている。(翻訳:編集部)
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