中国のコロナ感染急拡大で、上海と深圳の美術館が再び休館
中国で新型コロナウイルス感染者数が急増する中、上海と深圳の美術館が再び閉鎖を余儀なくされた。コロナ禍によって、またもや文化の中心的施設が活動停止する事態が起きている。
3月10日、上海の西岸地区等にある主要な文化施設が休館を発表した。龍博物館(西岸館)、西岸美術館、余徳耀美術館、浦東美術館、宝龍美術館、上海当代美術博物館、OCAT上海などが一時閉鎖を決定したのは、政府がこの地域で学校に休校を命じる直前だった。
北京のユーレンス現代美術センター(UCCA)の上海分館であるUCCAエッジは、4月2日から中国で初となるトーマス・デマンドの回顧展を開催する予定だった。しかし、昨年5月にオープンしたUCCAエッジが予定通りこの展覧会を開催できるかどうか、見通しは立っていない。
広東省の深圳でも、3月14日から始まった都市封鎖(ロックダウン)を受けて、文化施設が閉鎖された。アートネット・ニュースによると、OCT当代芸術中心や坪山文化地区の坪山美術館などが臨時休館を発表している。一方、現状では広州市や仏山市などの美術館は営業を続けている。
中国は、厳しい封鎖措置を伴うゼロコロナ政策により、多くの公共施設が臨時休業を迫られ、収入面で打撃を受けている。これまで感染拡大を抑え込んできた香港でも、2022年に入ってオミクロン株が大流行し、米国を上回る死亡者数を記録した。当局によれば、感染は3月上旬にピークに達し、香港の全ての公共機関や施設は4月20日まで閉鎖されることになっている。(翻訳:清水玲奈)
※本記事は、米国版ARTnewsに2022年3月16日に掲載されました。元記事はこちら。