没落寸前の城をコンスタブルが救う!? お宝発掘番組で模造品が本物と判明
城を所有するイギリス人夫婦がお宝発掘番組に出演したところ、城の片隅にあった絵画の作者が、19世紀イギリスの画家ジョン・コンスタブルであることが判明したと、イギリスのデイリー・メール紙が伝えた。
サイモン・ホウソン・クラウファードとその妻アディティは、スコットランドのグラスゴーから南へ25マイル(約40キロ)にある、先祖代々受け継ぐ16世紀の城、クラウファードランド城と600エーカー(242万平方メートル)の敷地を相続した。しかし、それらの維持に年間12万7000ドル(約1800万円)必要で、補填のために夫婦は様々なイベントを開催し、城のレンタル業を営んだ。それでも足りず、夫妻はいずれ城を売却しなければならないと考えていた。
そんな中、夫妻は、骨董品の専門家たちが古民家を訪れ、隠れた宝物を探す姿を追うイギリスのリアリティ番組「ミリオネア・ホーダーズ」に出演することに。
同番組の骨董品のスペシャリスト、ロニー・アーチャー=モーガンは、城のゲスト棟の片隅に飾られていた風景画に注目した。それは、10年前にオークションハウスがジョン・コンスタブルの模造品と鑑定していたものだった。
この絵が本物のコンスタブルだと信じたモーガンが6カ月にわたる調査を行った結果、コンスタブルのスケッチブックから、絵が描かれたと思われる1820年代に、彼が城のある地にいたことを示す証拠を見つけたのだ。
夫妻はこの鑑定結果を確たるものにすべく、絵画を科学的な分析に出した。本物と確定すれば、オークションで最高250万ドル(約3億5400万円)で落札される可能性がある。
もしそれだけの金額が入ったら、クラウファード家は城とその周辺の敷地を維持し、子どもたちに城を引き継ぐことができる。
城の主、サイモン・ホウソン・クラウファードは今回の件について、「毎日のようにこの絵を見てきましたが、一度も気にしたことがなく、不思議な感じです。私たちの人生が変わるだけでなく、遺産として城を何世代にも渡って残すことができる素晴らしい出来事です」と話す。(翻訳:編集部)
From ARTnews