馬崇拝に捧げられた4000年前の古代階段ピラミッドを発見。「非常に洗練された複雑な構造」
カザフスタン東部のアバイ州で、考古学研究者が約4000年前の階段ピラミッド状の構造物を発見。その外壁には馬の絵が数多く描かれていた。
カザフスタンのL.N.グミリョフ・ユーラシア国立大学(ENU)では、2014年から考古学研究チームがトクタミス村近くのキリクンギル遺跡の発掘調査を実施。フン族やサカ族の古代の墓が、土器や食料、小さな青銅球とともに見つかっている。
今年になり、研究チームは紀元前2000年頃のものと見られる階段ピラミッド状の構造物を発見したが、これには典型的なユーラシアの階段ピラミッドとは異なる特徴があった。
通常、階段ピラミッドでも三角錐型のものと同様に、精巧に作られた迷路のような通路が埋葬室に通じている。たとえば、紀元前27世紀の古代エジプト第3王朝に仕えたイムホテプは、ジェセル王のために階段ピラミッドを設計したとされている。
ENUで考古学・民俗学部の学部長を務める歴史学者のウラン・ウミカリエフは、声明で次のように述べた。
「(階段ピラミッドは)非常に精密に造られた六角形のもので、中央にいくつかの円があります。非常に洗練された複雑な構造です」
外壁にはラクダなどさまざまな動物の絵が描かれているが、特に馬の絵が多い。また、構造物の周囲で馬の骨が見つかっていることから、研究チームは、ピラミッドがユーラシアの遊牧民文化によく見られる馬の崇拝に関連したものと考えている。
この場所ではまた、陶磁器や金の女性用イヤリング、その他の宝飾品も発見された。これについてウミトカリエフは、「この青銅器時代の遺跡が、古代の文化の中心であったことを示すものだ」と説明している。(翻訳:石井佳子)
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