ブラム&ポーが「ブラム」に名称変更。ニューヨークの拠点は移転
ロサンゼルスを本拠地とするブルーチップ(優良)・ギャラリー、ブラム&ポーは、創設者ティム・ブラムとジェフ・ポーの30年以上にわたる協力関係が解消された。それにともないティム・ブラムは、ギャラリー名の変更と、ニューヨークの拠点の移転を発表した。
新名称は「ブラム」となる。ブラム&ポーは1994年、ジェフ・ポーとティム・ブラムの共同運営でサンタモニカにオープンした。マーク・グロッチャン、ヘンリー・テイラー、李禹煥、奈良美智、五木田智央ら実力派アーティストが所属し、チェチリア・アレマーニ、アリソン・M・ジンゲラスら著名なキュレーターや学者と提携して、日本のもの派や韓国の単色画などに関する研究的な展覧会も開催してきた。2023年の夏にポーがギャラリーからの独立を表明し、ティム・ブラムが引き続きギャラリーを運営する形となった。現在ロサンゼルスと東京に拠点があるが、それらは維持されるという。
同ギャラリーのニューヨークの拠点は、ホワイト・ストリート9番地にある、現在オルトゥザール・プロジェクツが入る物件に移転する。6200平方フィート(約576平方メートル)のスペースと2つのフロアを使用する予定だ。
ブラムはアッパー・イースト・サイドからトライベッカに移ることになるが、トライベッカは近年ギャラリーの激戦区となっている。
アルマイン・レッシュ、ヴィーナス・オーバー・マンハッタン、ティモシー・テイラー、マリアン・グッドマン・ギャラリーといったギャラリーがトライベッカにオープンする計画を明らかにする一方で、近隣の小規模ギャラリーはシャッターを下ろしている。この夏、JTTはトライベッカに移転して2年足らずで閉店することを発表した。JTTの閉店に続いて、Queer ThoughtsとDenny Galleryも閉店した。
新スペースでは来春、こけら落とし展として、ティム・ブラムとインディペンデントキュレーターの吉竹美香がキュレーターを務める、日本美術に関する展覧会を開催する。
ティム・ブラムは声明の中で、次のように抱負を述べる。
「私たちが築き上げた素晴らしいグローバル・チームと、30年来の付き合いとなる素晴らしいアーティストたちによって、私たちはさらに力強くなったと感じています。これからの章では、トライベッカの美しい新スペースのお披露目や、アーティストとの新たな関係、出版における新たな取り組みを計画しています」(翻訳:編集部)
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