パリオリンピックの影響か。ルーブル美術館が2024年1月から入場料を値上げ
ルーブル美術館は2024年1月から、一般の入場料を17ユーロ(約2700円)から22ユーロ(約3500円)に値上げすると発表した。その背景には、エネルギーの高騰や施設の見直しに加え、来年パリで開催されるオリンピックの影響があるようだ。
12月8日にルーブル美術館が発表した声明によると、同館が2017年以来の値上げ、しかも29パーセント増という大幅の値上げに踏み切った理由は、エネルギー高騰の影響に加え、18歳未満と学生、ジャーナリストの入場料を無料にするためだ。また、ガラスのピラミッドの下にある中央門の混雑緩和のために入り口を増やすなど、運営上の大改革の一環でもあるという。同館の1日あたりの入場者数は、パンデミック前のピーク時の4万5000人には届かないものの、2023年は3万人に達している。
同館は言及していないが、2024年7月26日から8月11日まで、パリを舞台にオリンピックが開催されることも理由にあるだろう。期間中はパリに何百万人ものスポーツファンが押し寄せ、それに合わせて街全体で物価が上昇する。例えばメトロを運営するパリ交通公団は、大会期間中に切符の値段を2.1ユーロ(約300円)から4ユーロ(約600円)に倍増させると発表した。
アート業界では、美術館の入場料値上げが続いている。ニューヨークは特に顕著で、2022年、メトロポリタン美術館が一般の入場料を25ドル(約3580円)から30ドル(約4300円)に値上げしたのを皮切りに、2023年7月には、2016年以来価格の調整を行っていなかったホイットニー美術館が一般30ドル、学生とシニア25ドルに、グッゲンハイム美術館もパンデミックによる財政上の緊急事態を理由に一般30ドルに値上げした。(翻訳:編集部)
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