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14年前に盗まれたピカソとシャガールの絵画が住宅の地下室で見つかる。容疑者は68歳の時計商

14年前に盗まれたパブロ・ピカソマルク・シャガールの絵画が、1月12日にベルギー警察により、アントワープにある住宅の地下から発見された。これら2点の作品は、2010年にテルアビブの美術品コレクターの自宅から持ち出されていた。

警察に押収されたピカソの《Tête》(右)とシャガールの《L'homme en prière》。Photo: Courtesy Parquet of Namur

ベルギー当局が16日に発表した声明では、ピカソによる肖像画《Tête》(1971)と、祈る男を描いたシャガールの《L'homme en prière》(1970)の合計評価額は、犯行当時で100万ドル(直近の為替レートで約1億4800万円、以下同)近かった。なお、どちらの絵画も良好な状態だという。

一方、同時にこのコレクターから盗まれた68万ドル(約1億円)相当の宝石類は、まだ見つかっていない。

声明によると、ある情報筋から当局に対し、ナミュール州の州都ナミュールに住む男が絵画を売りに出しているとのタレ込みがあり、容疑者として浮かんだ68歳のイスラエル人時計商に対する捜査が開始された。しかし、住居を突き止め家宅捜索したものの、そこにあったのは相当額の現金だけで、絵画は見つからなかった。

当局の声明では、発見の経緯についてこう述べられている。

「2023年に行われた捜査や情報収集で、容疑者が行方不明になっている作品を所持しており、本人または関係者の自宅にあるという確証を得た。容疑者は絵画の所持については自供したが、保管場所については黙秘していた」

アントワープの住宅で発見された絵画は無傷で、盗まれたときと同じ額縁に入っていたという。(翻訳:石井佳子)

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