ロシア、ヴェネチア・ビエンナーレに2回連続の不参加。ウクライナとイスラエルは参加が決定
参加パビリオンのリストが発表された第60回ヴェネチア・ビエンナーレに、ロシア館がリストアップされていなかった。戦争を理由に不参加となったのは本ビエンナーレ開始以来、ロシアが初。一方、ウクライナとイスラエルはそれぞれ国別パビリオンを実施する見通し。
1月31日、ヴェネチア・ビエンナーレは2024年版の参加アーティストリストとともに、国別パビリオンリストを公開した。発表されたリストのなかで特筆すべき点は、例年参加していたロシアがこのリストに含まれていないことだ。
ウクライナとの戦争が続くロシアがビエンナーレに参加しないのは、第59回に次いで2度目となる。一方ウクライナは、ロシアが侵攻を開始した2022年と同様に参加が決定している。
ビエンナーレの広報担当者は、ロシアが参加しないことを正式に発表したが、その理由は詳しく説明されていない。ロシア館の責任者とロシア文化省にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
人通りが多く、各国のパビリオンが設けられるジャルディーニ地区に専用パビリオンをもつ国の一つであるロシア。一方、ウクライナは専用のパビリオンは建設していない。
2022年、ロシア館の参加アーティストとキュレーターは世界最大の芸術祭が始まる2カ月前に急遽、参加を辞退。他国のパビリオンが来場者で賑わうなか、ロシア館は警備員に守られ、作品が展示されずシャッターは閉まっていた。
地政学がパビリオンの展示内容に影響を及ぼすことはよくあることだが、軍事紛争を理由に今年のビエンナーレに参加しない国はロシアだけだ。ジャルディーニにパビリオンを設けているイスラエルは、パレスチナ自治区・ガザとの戦争が続く中でも参加を表明しており、代表作家にはルース・パティールが選出されている。
ロシアとの戦争で過酷な状況が続くウクライナも同じく、今年のビエンナーレへの参加が決定している。ウクライナ館にはカーチャ・ブチャツカ、アンドリー・ドストリーエフ、リエ・ドストリエワ、ダニール・レフコフスキー、そしてオレクサンドル・ブルラカといった作家が名を連ねている。(翻訳:編集部)
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