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2024年ヴェネチア・ビエンナーレがいよいよ開幕! オープニングパーティをリポート

第60回ヴェネチア・ビエンナーレがいよいよ4月20日からスタートする(11月24日まで)。それに先立ち、ヴェネチア市内でオープニングパーティが開催された。

マーク・ブラッドフォード(写真左)と総合ディレクターのアドリアーノ・ペドロサ。Photo : Dave Benett

ヴェネチア市内のレストラン、La Caravellaで開催された第60回ヴェネチア・ビエンナーレのオープニングパーティは、総合ディレクターのアドリアーノ・ペドロサがホストを務めた。会場にはサミア・ハラビー、ローレン・ハルゼイ、リディア・オウラマネ、キム・ユンシンといったアーティストや、著名なパトロンであるパメラ・ジョイナー、フレッド・ジュフリーダなど、世代を超えた人々が集い、ビエンナーレのスタートを祝った。

晩餐会が終わると、ペドロサのカルフォルニア芸術大学時代の同級生であり、2017年の同ビエンナーレにアメリカ代表として参加したアーティストのマーク・ブラッドフォードがサプライズで登場し、ペドロサとの共通の歴史や、ビエンナーレに参加した当時の特別な経験に触れたスピーチを行った。その中でブラッドフォードは、友人ペドロサの「寛大さと、物事を変える静かな力」を称賛した。

そんなペドロサの指揮のもと開催される第60回ヴェネチア・ビエンナーレのテーマは「Stranieri Ovunque(イタリア語で「どこにでもいる外国人」という意味)」。これは、パリで生まれ、パレルモを拠点とするコレクティブ、クレール・フォンテーヌが2004年に開始した一連の作品から引用されている。作品は、2000年代初頭にイタリアで人種差別や外国人嫌悪と闘ったトリノの集団の名前「Foreigners Everywhere(どこにでもいる外国人)」を多言語に訳した、さまざまな色のネオンで構成されている。

ビエンナーレのリリースでペドロサは、このテーマにはいくつかの意味があるとし、次のように語った。

「まず第一に、どこに行っても、どこにいても、必ず外国人に遭遇するということ。第二に、自分がどこにいようとも、心の奥底では常に外国人であるということだ」

そのような思いのもと、展覧会では、しばしば迫害されたり非合法とみなされたりしながら、異なるセクシュアリティやジェンダーの中を移動してきたクィア・アーティスト、また独学で学んだアーティストやフォーク・アーティストなどの芸術界の周縁に位置するアーティストや、自分が住む土地で外国人として扱われることの多い土着のアーティストら100作家以上の作品を紹介する。

展覧会は、中央パビリオン(ジャルディーニ)とアルセナーレの2会場で行われ、「Nucleo Contemporaneo(現代核)」と「Nucleo Storico(歴史核)」の2つのセクションで構成される。とても広大なため、ペドロサはオープニングパーティでも、初めてビエンナーレに参加する人たちに「履きなれたスニーカーを履いてくること」を勧めていた。

以下、多彩なアーティストたちが集った、パーティの様子を紹介しよう。

マーク・ブラッドフォード(写真左)とアントニオ・ホセ・グスマン

Photo : Dave Benett

(左から)フレッド・ジュフリーダ、モニーク・マクウィリアムズ、ローレン・ハルシー

Photo : Dave Benett

(左から)アリ・セティ、サルマン・トゥール、キム・ユンシン

Photo : Dave Benett

レイラ・バビリエ

Photo : Dave Benett

サミア・ハラビー(写真左)とゲスト

Photo : Dave Benett

アドリアーノ・ペドロサとアートコレクターのパメラ・ジョイナー(写真右)

Photo : Dave Benett

左からアドリアーノ・ペドロサ、ゲスト、アハメド・ウマル

Photo : Dave Benett

アグネス・クエスチョンマーク(写真左)とゲスト

Photo : Dave Benett

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