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ボッテガ・ヴェネタがミラノデザインウィークでインスタレーションを発表! コルビュジエの伝説的スツールを再解釈したカスタムエディションも

4月16日から開催されているミラノデザインウィークにて、ボッテガ・ヴェネタが《On the Rocks》と題されたインスタレーションを開催。クリエイティブ・ディレクターのマチュー・ブレイジーによって再構築されたル・コルビュジエの「LC 14 タブレ カバノン」が空間内に積み上げられており、木とレザーでできた2種類のスツールが数量限定で販売される。

インスタレーションのメインビジュアルを撮影したのは、ピエール・ディバッシャー。Photo: Courtesy of Bottega Veneta

伝説的なスツールを再構築

4月16日から4月21日まで開催されている「ミラノデザインウィーク」において、ボッテガ・ヴェネタが《On the Rocks》と題したインスタレーションを発表している。インテリアデザインを手がける企業、カッシーナと、ル・コルビュジエ財団とともに制作したこの空間には、ル・コルビュジエが設計したタブレスツール「LC14 Tabouret Cabanon(LC14 タブレ カバノン)」が積み上げられており、卓越した技術の結晶と芸術性が競演している。

展示スペースには、積み上げられた二つのスツールの山が互いに向かい合い、中央には着想源となったウイスキーの木箱のオリジナルサンプルも展示されている。 Photo: Courtesy of Bottega Veneta

ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクター、マチュー・ブレイジーの指揮のもと制作された今回のインスタレーションに使用されたスツールは、元はル・コルビュジエがフランス南部のロクブリュヌ・カップ・マルタンに建てた休憩小屋(カバノン)のためにデザインしたもの。小屋の近くにある岩場に打ち上げられていたウイスキーの木箱から着想。ダブテール(蟻組)という木組みの技法が用いられていることが特徴だ。両サイドに開けられた長方形の開口部によって、あらゆる場所に持ち運べるようになっている。

マチュー・ブレイジーがボッテガ・ヴェネタの2024年ウィンターコレクションのショーのセットのために製作を依頼した「LC14 タブレ」の木製のカスタムエディションと、ボッテガ・ヴェネタを象徴するレザーワークをまとったリミテッドエディションが発表された。木製モデルには、日本の伝統技法をもとに特別な技法を用いて焼き目がつけられており、防腐・防虫効果を施すと同時に、美しい木目の模様を際立たせている。

木製のカスタムエディションは、100脚限定。 Photo: Courtesy of Bottega Veneta

艶やかな質感のレザーのモデルは、イントレチャート フーラード技法を用いてボッテガ・ヴェネタの職人の手によって編み上げられたものの上から全体に塗料を塗布したのち、ブラックの塗料を重ね、その一部をブラシで取り除く特殊加工を施した。レッド、イエロー、ブルー、レインツリーグリーンの4色展開で、60脚限定で販売される。

レザーをまとったリミテッドエディション。Photo: Courtesy of Bottega Veneta

タブレが誕生した背景にインスパイア

今回のインスタレーション《On the Rocks》は、今年4月に逝去したイタリアの建築家、ガエタノ・ペッシェと2023年に行ったコラボレーション《Vieni a Vedere》に続くもので、4月20日まで一般公開される。《On the Rocks》というタイトルは、コルビュジエの小屋がある海岸を舞台とするタブレが誕生した背景と、デザインの着想源でもあるウイスキーの木箱を反映しており、コルビュジエ自身が制作したオリジナルのタブレも空間内に展示されているという。

会場となったミラノのパラッツォ・サン・フェデレは、2024年9月からボッテガ・ヴェネタの新社屋が入ることになっており、内部を垣間見る貴重な機会となっている。4月20日に開幕するヴェネチア・ビエンナーレを訪れる機会に恵まれた方は、こちらも必見だ。

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