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束芋らによる新作公開や工芸×アートの展覧会も。天王洲を舞台に「TENNOZ ART WEEK 2024」が開催!

天王洲地域を舞台に展覧会やワークショップなどのアートイベントが開催される「TENNOZ ART WEEK」が今年もやってくる(6月27 日~7月15 日)。その見どころを紹介する。

寺田倉庫は、6月27 日から7月15 日まで、天王洲地域を舞台に開催するアートイベント「TENNOZ ART WEEK 2024」を開催する。

本イベントは寺田倉庫が昨年に引き続きオフィシャルフェアパートナーを務めるアートフェア「Tokyo Gendai」(7月5日~7月7日・パシフィコ横浜)に関連して行われる。国内のアートファンに加え、同フェアのために来日するアートコレクターやアート関係者が横浜・天王洲間を巡回することで、天王洲が国際的な文化観光拠点として成長することを目指す。 初開催だった昨年は、約1万4000人が訪れた。

第2回となる今年は、第54回ヴェネチア・ビエンナーレ(2011年)の日本代表作家である束芋らによる特別展示のほか、日本画のワークショップや若手工芸作家を中心とした展覧会など、日本の伝統と国際的な現代アートの両方に触れられるプログラムが用意されている。それでは今年の6つの見どころを紹介しよう。

1. 束芋らが「if(もしも)」の世界を描いた大規模な新作映像インスタレーションを発表

浮世絵を思わせる筆致や色彩で、現代の日本社会や自身の内面世界をアニメーションで描いた映像作品で知られる束芋。本展では、3人のインディペンデントアニメーション作家と制作した新作の大規模な映像インスタレーション《触れてなどいない》を展示する。水や生物などの展示空間への持ち込みを禁じられたモチーフを、アニメーションによって「持ち込む」という試みでもある。作品を通して「if(もしも)」の世界が開かれ、幻想とナラティブが生まれる。そしてアートの文脈を介在させることで、アニメーションと鑑賞者との間に存在する多層的な関係を露わにするという。

束芋 新作映像インスタレーション 「触れてなどいない」
会期:7月5日(金)~ 7月15日(月・祝)
会場:寺田倉庫 G3-6F(東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫 G号)
時間:11:00 ~ 21:00
料金:一般2000円、高大専門学生1500円、小中学生1000円

2. ガイドツアー&ナイトミュージアムで「構造デザイン」に特化した展覧会を堪能

WHAT MUSEUMでは、建築の骨組みを創り出す「構造デザイン」の奥深い世界を紹介する展覧会「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」を開催中。現存する世界最古の木造建築「法隆寺五重塔」の高さ3メートル60センチにもなる1/10模型から、来年開催される大阪万博の世界最大級の木造骨組みとなる「大阪・関西万博 大屋根リング」、現在開発中の月面構造物まで100点以上の名建築の構造模型を展示している。また、建築家や設計事務所が「建築倉庫」に保管する600点以上の建築模型の一部も公開。「TENNOZ ART WEEK 2024」期間中には、展覧会企画担当者による特別ガイドツアーと、開館時間を最大21時まで延長するナイトミュージアムを開催する。

「感覚する構造 – 法隆寺から宇宙まで –」
会期:4月26日(金)~ 8月25日(日)
会場:WHAT MUSEUM(東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号)
時間:11:00 ~18:00(ナイトミュージアムとして7月6日は21:00、7月7日、7月13日~15日は20:00まで、入場は1時間前まで)
料金:一般1500円、大学・専門学生800円
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)

「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」WHAT MUSEUM 特別ガイドツアー※事前予約制:各回16人
会期:7月6日(土)、7月13日(土)
時間:10:00 ~11:00
料金:一般2500円※建築倉庫の入場料込み

3. 工芸×アートの最前線をチェック!若手作家を中心とした約200点を展示販売

WHAT CAFEでは、オープン以来初となる「工芸」に特化した展覧会を開催。工芸の伝統的な素材や技法等をベースに、現代性や新しい表現をかけあわせた作品を制作する若手アーティストを中心とした約200点を展示販売する。今回は、アートとしての工芸作品を取り扱う丹青社の「B-OWND」をコラボレーションパートナーに迎え、工芸における「間」や「曖昧さ」に焦点を当てた作品をセレクトしたという。これらの作品を通して、美術工芸の可能性と価値を再発見してもらいたい。

「Beautility: The Betweenness of Kogei」
会期:6月27日(木)~ 7月7日(日)
会場:WHAT CAFE(東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫 G 号)
時間:11:00~18:00(7月6日は21:00、7日は20:00まで)

4. 初心者も歓迎!日本の伝統画材と技法に触れるワークショップを開催

伝統画材ラボPIGMENT TOKYOでは、鉱石を砕いて作られる顔料「岩絵の具」で花を描く初心者も歓迎のワークショップを開催。純金の絵の具である「金泥」と、一色の絵の具が乾かないうちに別の一色を垂らすことで滲みの効果を出す「たらし込み」の技法に挑戦する。

PIGMENT TOKYO ワークショップ 「日本の伝統画材を使って花をえがく/純金とマラカイトで日本画制作」※事前予約制:各回10人
会期:7月6日(土)・7月7日(日)
会場:PIGMENT TOKYO(東京都品川区東品川 2-5-5 TERRADA Harbor One ビル 1F)
時間:11:30~13:30、16:00~18:00
料金:一般9900円

5. 日本各地の名物料理を味わえる約20店が勢ぞろい

アート鑑賞の合間には腹ごしらえも。運河沿いに延びるボードウォークには、日本各地の名物料理や名産品を販売する約 20 店舗が勢ぞろいする。運河の開放的な空の下、食を通して各都市の魅力を再発見しよう。

STREET MARKET
会期:7月6日(土)・7月7日(日)、7月13日(土)~7月15日(月・祝)※13日~15日はキッチンカーのみ
会場:天王洲アイル第三水辺広場 ボードウォーク (東京都品川区東品川 2-1-18)
時間:11:00~18:00(7月6日は21:00まで、7月13日・14日は20:00まで)

6. TERRADA ART COMPLEXではアートとお酒を楽しむイベントも

特別鑑賞チケット購入者および招待者のみを対象に、TERRADA ART COMPLEXⅠ・ Ⅱ では、17 軒の入居ギャラリーが開館時間を20時まで延長。フロアごとに異なるテーマでセレクトした日本産のお酒を振る舞う。

「TAC GALLERY NIGHT」※特別鑑賞チケット購入者および招待者のみ
会期:7月6日(土)
会場:TERRADA ART COMPLEX Ⅰ(東京都品川区東品川 1-33-10)、TERRADA ART COMPLEX Ⅱ(東京都品川区東品川 1-32-8)
時間:17:00~20:00


TENNOZ ART WEEK 2024
会期:2024年6月27日(木)~7月15日(月・祝)
会場:寺田倉庫 G3-6Fおよび周辺施設、天王洲アイル第三水辺広場

TENNOZ ART WEEK 2024 特別鑑賞チケット
束芋の新作映像インスタレーション、WHAT MUSEUM、TAC GALLERY NIGHTへの入場券がセット。
料金:3500円

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