#東京現代/TOKYO GENDAI

2023年7月7日(金)から7月9日(日)まで、横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)にて開催される国際アートフェア。 サンディ・アンガス、ティム・エッチェルス、マグナス・レンフリュー率いるアートイベントの主催団体、The Art Assemblyにより開催され、アートシーンを牽引する国内外74のギャラリーが出展。フェアディレクターは、Google Arts & Culture Japanを担当した高根枝里が務めている。

近年の関税法基本通達一部改正を受け、東京現代は開催会場全体を保税地域として使用する許可を横浜税関より取得。これにより、フェア開催期間に、会場であるパシフィコ横浜は保税展示場とみなされ、海外からの出展者は関税等を留保した形で美術品を持ち込み、展示することが可能になる。

テーマの異なる4つのセクションから構成

展示会場は、日本内外の主要なギャラリーが集結するGalleries、テーマに沿った作品を展示するHana、Eda、Tane、計4つのセクションで構成されている。

Galleries

すでに活躍中の現代アーティストの作品を展示。Blum & Poeは、奈良美智をはじめとするアーティストの作品を集約。Sadie Coles HQは、1990年代から彫刻により現代の生活を大胆かつ率直に語った作品が注目を集めた英国人アーティストSarah Lucasと、文学、民間伝承、現代のナラティブなどをテーマにした比喩的な絵画で知られるKati Heckの作品を紹介。日本からは、SCAI THE BATHHOUSEが、名和晃平によるセル(細胞)を気泡させるインスタレーション《Biomatrix》を紹介。Taka Ishii Galleryは主に、Adam Pendleton、Oscar Murillo、Jadé Fadjoutimiおよび法貴信也の作品を展示する。Almine Rechは、ポップアート・ムーブメントの重要人物であるTom Wesselmannと、記憶、歴史、そして集合的イマジネーションの役割を探求するThu Van Tranの作品を展示する。

Hana

新人または中堅の1〜2人のアーティスト作品を展示。アーティストの年齢制限および、展示するギャラリーの創業年数に関する制限がないことが特徴。MISAKO & ROSENは身体の複雑な調査に取り組んでいる廣直高と J. Parker Valentineを紹介し、The Drawing Roomは自然災害後の様子を活気に満ちた印象的な絵画に描いたDominic Mangilaの作品を展示する。Gallery COMMONはアイデンティティをテーマに、問いと解釈を構築するShohei TakasakiとAlex Andersonの作品を、Carl Kostyálは故郷の日常を絵画的な人物やモチーフで記録するMarria Prattsの作品を展示する。

Eda

アジア出身のアーティストや、歴史的に重要なアーティスト1~2人、または、テーマに基づく作品を展示。Gajah Galleryは、インドネシア人アーティストのI Gusti Ayu Kadek MurniasihとYunizarの作品を紹介し、Wada Fine Arts Y++は、画家の故石田徹也のスタジオを再現した没入型のプレゼンテーションを行う。The Columns GalleryはEisa Jocson、Han YaJuan、Jeong Myoungjo、木嶋愛の作品を紹介する。

Tane

NFT、アニメーション、映画、AR、VR、ゲームなどデジタルメディアを中心に展示する。NowHereは、exonemoによる、リアルな犬小屋の中に販売中のバーチャルペットが展示されているインスタレーション《Metaverse Petshop》、The HoleはJonathan ChaplineやRy David Bradleyなど、新しいデジタルメディアの最前線にいるアーティストによるグループプレゼンテーションを展示する。

女性現代アーティストセクション「Tsubomi」

「Tsubomi」セクションでは、笠原美智子(アーティゾン美術館副館長)と山田裕理(東京写真美術館学芸員)のキュレーションによる「Life Actually: The Work of Contemporary Japanese Women Artists」展を開催。イケムラレイコ(シュウゴアーツ)、米田知子(シュウゴアーツ)、山元彩香(amanaTIGP)、杉浦邦恵(Taka Ishii Gallery)、長島有里枝(MAHO KUBOTA GALLERY)を含む、日本を代表する女性アーティストたちの作品を紹介する。

芸術文化財団による特別ショーケース「Ne」

国内で様々な活動を展開する芸術文化財団とのコラボレーションによる特別ショーケース。大林財団は、都市開発や未来の都市づくりのあり方に関心を寄せるアーティスト、思想家、研究者の支援について紹介し、福武財団は、瀬戸内海の直島、豊島、犬島を舞台にしたアート活動「ベネッセアートサイト直島」の取組を展示。吉井財団は、ライゾマティクスを主宰するアーティスト・プログラマ・DJ、真鍋大度の作品、小田原文化財団は、杉本博司によって設計され、同財団の拠点でもある江之浦測候所、タグチアートコレクションは、小中学校を対象としたデリバリー展覧会など事業をそれぞれ解説するブースを設ける。

関連開催プログラム

オランダ・アムステルダムを拠点に活動するピアニスト、向井山朋子による新作インスタレーション・パフォーマンス《figurante》を7月7日(金)~9日(日)に天王洲の寺田倉庫で発表。また、彫刻家の大平龍一による新作大型インスタレーション《The Circuit》を展示。東京現代立ち上げを記念し制作された本作は、大きなスロットカーのレーストラックを中心に、複数のオブジェや彫刻等が配置される。

トークセッション

会期中、片岡真実(森美術館館長)、大林剛郎(大林組取締役会長、大林財団理事長)、南條史生(森美術館特別顧問、十和田市現代美術館総合アドバイザー、弘前れんが倉庫美術館特別館長補佐、アーツ前橋特別館長)、名和晃平(彫刻家)をはじめとするアート関係者による、現代アート業界の多岐にわたるテーマをアーティスト、コレクター、キュレーターなどの異なる視点から掘り下げるトークセッションが行われる。

周辺エリアでは、東京現代に関連したアートに触れる特別展示や企画展が開かれ、東京現代独自のVIPプログラムでは、寒川裕人氏によるEUGENE STUDIOへのスタジオビジットや、六本木にて「浴衣 de アート」を実施。また、天王洲アイルでは、特別イベント「TENNOZ ART WEEK」を開催。7月7日(金)にはTERRADA ART COMPLEXでのナイトタイム特別営業「ギャラリーナイト」や一般社団法人日本現代美術商協会(CADAN)主催による展覧会「CADAN:現代美術2023」などが催される。WHAT MUSEUMでは、日本屈指のアートコレクター高橋龍太郎による『高橋龍太郎コレクション「ART de チャチャチャ ー日本現代アートのDNAを探るー」展』、能條雅由による公開制作:能條雅由 「うつろいに身をゆだねて」の2つの企画展が開催される。