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ペース・ギャラリーが注目作家の45点を集めたプレビュー展を開催。「Tokyo Gendai」では日本で約30年振りロバート・ロンゴの個展も

2024年9月に東京拠点のグランド・オープンを控えたペース・ギャラリーが、7月6日から8月17日までプレビュー展を開催することが決まった。

1960年の創業以来、本拠地のニューヨークをはじめ、ロンドン、香港、ソウルなど世界各地に拠点を広げるペース・ギャラリーは、ガゴシアン、ハウザー&ワース、デイヴィッド・ツヴィルナーとともに世界4大メガギャラリーに数えられる。その60年以上の歴史の中で、パブロ・ピカソマーク・ロスコアグネス・マーティンジャン・デュビュッフェら20世紀の巨匠から、ジェームズ・タレル李禹煥奈良美智名和晃平ら現代作家までアート界に大きな影響を与えるアーティストたちを紹介してきた。

そんなペースが、メガギャラリーとして初の東京進出となる9月のグランドオープンに先立ち、7月6日から8月17日までプレビュー展を開催することを発表した。

クレス・オルデンバーグやアリシア・クワデらによる45点が集結したプレビュー展は必見

ペースの東京拠点は、麻布台ヒルズにあるイギリスの建築家、トーマス・ヘザウィックが設計した建物の中の3フロアにまたがり、総⾯積510平⽶を誇る内装のデザインは藤本壮介が担当。7月3日から開催されるプレビュー展には、日用品を巨大化させたパブリックアートで知られ、2022年に死去したポップアートのパイオニア、クレス・オルデンバーグや、木、ガラス、石などの一般的な素材を化学的プロセスで加工し、反復や反射などを利用して見る者に現実の認識を問うような没入的で体験的な空間を作り出すポーランド人現代美術家アリシア・クワデなど、ペースの特徴とも言える幅広い作家ラインナップの45点を展示する。そのほかの作家は、リンダ・ベングリス、ジュール・デ・バリンコート、タラ・ドノヴァン、ジャン・デュビュッフェ、アドルフ・ゴットリーブ、ロイ・ホロウェル、ロバート・ナヴァ、ルイーズ・ネヴェルソン、アダム・ペンドルトンなど。

このプレビュー展を皮切りに、ペースの東京進出によって日本のアートシーンにどんな変化が起きるのか、期待したい。

ペース・ギャラリー東京 特別プレビュー
会期:7月6日(水)~8月17日(土)
住所:麻布台ヒルズ ガーデンプラザA 1F(東京都港区麻布台1丁目2-2)
時間:11:00~20:00
休廊日:月曜

Tokyo Gendaiではロバート・ロンゴの近・新作のみを集めた個展を開催

Robert Longo, Study of Split Roaring Tiger, 2023 © Robert Longo / Artists Rights Society (ARS), New York.

またペースは、7月5日から7日まで開催されるアートフェア、Tokyo Gendaiへ初出展する。フェアでは、1980年代前後のニューヨーク・アートの動きとして知られる「ピクチャーズ・ジェネレーション」の代表作家、ロバート・ロンゴの近・新作のみを集めた展示を行う。日本では実に29年振りの本格的なロンゴの個展となる今回は、ベルニーニの祭壇彫刻《聖テレジアの法悦》(1647-1652)や北斎の版画《神奈川沖浪裏》(1831)に触発され制作した、緻密な細部描写とハイパーリアルな表現による大スケールのチャコール・ドローイングなどを発表する。そのほか、ジャンプする鯨、パイロットの粋なヘルメットなどを描いた、ロンゴ曰く「魔法の都市、東京を映し出すもの。伝統と⾃然と⾰新とがビューティフルに共存する街」を表現した作品も並ぶ。

Tokyo Gendai
会期:7月5日(金)~ 7月7日(日)※7月4日ははVIPプレビュー
会場: パシフィコ横浜  ホールC/D (神奈川県横浜市西区みなとみらい1丁目1-1)
時間:11:00~18:00(4日は17:00まで)

9月のオープニング展はメイシャ・モハメディをフィーチャー

Maysha Mohamedi, Pseudonym, 2024 © Maysha Mohamedi, courtesy Pace Gallery;

そして、9月から10月にかけて開催されるグランド・オープニングでは、ロサンゼルスを拠点に活動し、普遍的な思想や経験についての⾃⾝の考えが 反映された抽象表現で知られるメイシャ・モハメディの個展を開催。11月から12月にかけては、⾦属、粘⼟、⽊を組み合わせるなど、陶芸のジャンルに収まらないハイブリッドな彫刻を制作するアーリーン・シェケットを紹介する。

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