ARTnewsJAPAN

1億円越えの作品含むロバート・ロンゴ8点が完売! 第2回Tokyo Gendaiが好調な売上を記録

7月4日のVIPプレビューから7日まで開催したアートフェアTokyo Gendaiが閉幕後のプレスリリースを発表。好調な売り上げと、2025年は9月12日から14日までの日程で開催することを明らかにした。

Photo: Courtesy of Tokyo Gendai

世界40カ国からアート関係者・コレクターが集結

7月4日のVIPプレビューから始まり7日で終了した第2回Tokyo Gendaiが、売上などを含むフェアの報告をリリースした。今年は国内外から69ギャラリーが参加し、40カ国・地域から、個人コレクターや美術館館長、学芸員、アートアドバイザーなどの関係者が集った。そこには、TOP 200 COLLECTORSに毎年名を連ねる株式会社大林組 取締役会長兼取締役会議長、公益財団大林財団理事長の大林剛郎や、同じくTOP 200 COLLECTORSのタグチアートコレクション共同代表の田口美和、アケロイド・コレクション創設者のShane Akeroyd、森美術館理事長の森佳子や同館館長の片岡真実、国立新美術館館長の逢坂恵理子、金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子らに加え、香港の俳優、トニー・レオンや香港の女優で歌手のカリーナ・ラウの姿もあった。

「Sato’Meadow」セクションより菅木志雄のインスタレーション。Photo: Courtesy of Tokyo Gendai

Paceのロバート・ロンゴ展は完売、ブラムは2600万円の岡﨑乾二郎作品を販売

今年のTokyo Gendaiは、複数のギャラリーが非常に好調な売り上げを記録した。初参加のPaceは、ロバート・ロンゴの新作ドローイング8点からなる個展を開催し、完売。価格は9万ドル~75万ドル(約1400万円~1億2000万円だったが、それらほぼ全てが日本のコレクターの手に渡ったという。またブラムが出品した岡﨑乾二郎による2024年のキャンバス作品は、16万ドル(約2600万円)で買い手がついた。ニューヨークのSundaram Tagore Galleryは、千住博の新作の大作3点を出品し、《Waterfall on Colors》(2024)と題された作品2点はそれぞれ57万ドル(約9200万円)と38万5000ドル(約6000万円)で売れた。A Lighthouse called Kanataは、安田侃や生田丹代子らの作品を出品し、そのうち尾崎悟のステンレス作品《The Prince》(2024)を含む6作品(絵画2点、彫刻4点)が、フェアの最初の2日間で日本、台湾、アメリカの主要コレクターらに15万~20万ドル(約2400万円~3200万円)で販売された。

Takuro Someya Contemporary Artブース。Photo: Courtesy of Tokyo Gendai

MISAKO&ROSENは、トレバー・シミズの《Water and Branches (2)》(2024)を8万5000ドル(約1400万円)で、imura art galleryは辻村史朗の陶器作品で来場者らを魅了したが、フェア初日にその半数が6221~7465ドル(約100~120万円)で売れたという。また、小山登美夫ギャラリーは北京のアーティスト、シュ・ニン(許寧)の個展を開催し完売。KOTARO NUKAGAは松山智一の大作《Stain Gentle Words》 (2024)を含む12点をコレクターに販売した。岡﨑乾二郎の超大作のタイル作品とラファエル・ローゼンダールのレンチキュラー作品で目を引く展示を行ったTakuro Someya Contemporary Artは、美術館を含めた取引があったという。

imura art galleryブース。Photo: Courtesy of Tokyo Gendai

「Tokyo Gendaiは日本、中国、台湾のコレクターを結びつける素晴らしいハブ」

フェアを終え、PaceのCEOマーク・グリムシャーは、「Tokyo Gendaiは、日本の主要なコレクターやキュレーターを一堂に集めた非常に効果的な機会でした。当ギャラリーでは、日本のコレクターに作品を販売して完売に至り、興奮が冷めやらぬ中でTokyo Gendaiを締めくくることができました」と振り返った。

Paceと同様に、今年初参加となったナイジェリアのRetro Africaは、日本語の「以心伝心」に着想を得て、「heart to heart: a sonata of love and being」と題した展示を行ったが、代表でクリエイティブ・ディレクターのDolly Kola-Balogunは、「当ギャラリーを訪れてくださった方々の受容性と好奇心の強さを目の当たりにし、Tokyo Gendaiがアートコミュニティに歓迎されていることを実感しました。より長期的なパートナーシップと今後のセールスに期待するとともに、日本のアート市場への一歩を踏み出せたことに感謝しています」と喜びを語っている。

台湾を拠点にし、アジア各国のフェアに参加するEach Modern代表のYaji Huangは、「東京は、日本、中国、台湾のコレクターを結びつける素晴らしいハブであり、異なる視点やスタイルが融合した芸術文化の拠点であることが証明された」と評価し、こう続けた。

「この街の活気に満ちたエネルギーは、コレクターたちの創造性やコラボレーションを刺激し、さまざまな背景を持つアートファンにとってダイナミックな出会いの場となっており、Tokyo Gendaiがアートの世界で人々を惹きつけてやまないことを物語っています」

Photo: Courtesy of Tokyo Gendai

2025年は猛暑とホリデーを避けて9月開催に

参加者たちからは概ね高い評価を得た今回のTokyo Gendaiだったが、7月という開催時期が欧米の夏休みと被ることから参加が難しいという声を受け、第3回は2025年9月12日から14日までの開催となることが決まった。また、コンシュレイティブ カウンシルのメンバーに、小山登美夫ギャラリー代表の小山登美夫、ANOMALY共同創設者の山本裕子を加え、来年に向けて一層の内容充実を図るという。

あわせて読みたい