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17万人を動員! 草間彌生展の大成功を受け、サンフランシスコ近代美術館が人気インスタレーションを取得

草間彌生展が好評のうちに終了した、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)。同館は先日、展示作品の中で人気を博したインスタレーションを取得したと発表した。

サンフランシスコ近代美術館の「Yayoi Kusama: Infinite Love」展で展示された草間彌生《Dreaming of Earth’s Sphericity, I Would Offer My Love》(2023)。Photo: Matthew Millman, Courtesy of SFMOMA

サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)が購入したのは、草間彌生の「インフィニティ・ミラー・ルーム」シリーズの作品《Dreaming of Earth’s Sphericity, I Would Offer My Love(地球が球体であることを夢見て、私は愛を捧げます)》(2023)。四角い鏡面の空間の中で、色とりどりの円形アクリル板が反射するインスタレーションだ。2023年5月12日から7月15日にかけて、ニューヨークのデヴィッド・ツヴィルナーで行われた個展で初公開され、その後、SFMOMAで2023年10月14日から2024年5月28日まで開催された草間の個展「Yayoi Kusama: Infinite Love」で展示された。同展は、開始直前に草間の2003年の自伝『インフィニティ・ネット』での黒人差別的な表現に批判が集まり、草間自身が地元紙の取材に応じて謝罪した出来事があったものの、17万人が訪れたヒット展として幕を閉じた。

SFMOMAは、6月22日から2025年1月まで、取得した草間の《Dreaming of Earth’s Sphericity, I Would Offer My Love》をお披露目展示する。

今回SFMOMAが作品を購入したのは、草間作品だけではない。同館の発表によると、エイミー・シェラルド、ラファ・エスパルサ、オスカー・ムリーリョ、マーティン・ウォン、アイザック・ジュリアンラシッド・ジョンソンクリストファー・ウールヴァージル・アブローら65以上の作家による作品を取得したという。このラインナップについて、館長のクリストファー・ベッドフォードは次のように説明する。

「今日発表した収蔵作家は、革新性と芸術的な野心を持ち、社会や文化の中での経験について驚くべき深さで言及しています」

「選んだ作品は、美的な実験に重点を置くものもあれば、その時代の中心的な問題に取り組むものなど様々です。ですが、いずれも『多様な主題に取り組む多様なアーティストの作品をコレクションに加える』というSFMOMAのビジョンに叶っています 」(翻訳:編集部)

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