全長100メートル! 草間彌生がロンドンに史上最大のパブリック・アートを発表
8月7日、草間彌生の新作パブリック・アートがロンドンのリバプール・ストリート駅でお披露目された。今回の作品は現在95歳の草間にとって、公共施設の常設としてはイギリス初、そして史上最大のパブリック・アートとなる。
草間彌生の新作が設置されたのは、ロンドンの都心部、シティ・オブ・ロンドンの北東部に位置するターミナル駅、リバプール・ストリート駅。この作品は、ロンドン鉄道が2022年に全線開通したエリザベス線にちなんで2014年に開始された、クロスレール・アート財団のパブリック・アート・プログラムの一環として2017年にコミッションされた。
草間の新作《Infinite Accumulation》(2024)は、銀色の球体が連なりダイナミックなアーチを描く。その高さは約10メートル、全長は約100メートル以上におよび、これまで手掛けたパブリック・アートの中では世界最大だ。同作の表面は高度に研磨されて鏡のように反射しており、草間の没入型インスタレーション《Narcissus Garden》を想起させる。草間は《Infinite Accumulation》について、プレスリリースで、「ロンドンは、あらゆる文化の人々が絶え間なく行き交う巨大なメトロポリスです。球体はそれぞれが持つ個性を象徴し、曲線はそれを支える社会構造を想像させます」と語った。
《Infinite Accumulation》は、8月7日、ロンドン交通局と、同作の出資者である不動産投資信託会社のブリティッシュ・ランドとシティ・オブ・ロンドン・コーポレーションによってお披露目された。同作は、クロスレール・アート財団のパブリック・アート・プログラムにおける最後の作品となる。これまで、トッテナム・コート・ロード駅にはダグラス・ゴードンのビデオ・インスタレーション《undergroundoverheard》、ホワイトチャペル駅にはシャンタル・ヨッフェのペーパーコラージュとアルミニウム作品《A Sunday Afternoon in Whitechapel》、ムーアゲート駅にはコンラッド・ショークロスによる大型ブロンズ彫刻《Manifold (Major Third) 5:4》など計9作家による作品が設置されてきた。
草間は95歳の今でも旺盛に創作活動を続けている。7月9日にはロンドンのリバプール・ストリート駅からほど近いケンジントン・ガーデンにあるサーペンタイン・ギャラリーで、敷地内に設置された高さ約6メートル、直径5メートルの、代表的なカボチャの作品《Infinite Accumulation》の除幕式が行われた。(翻訳:編集部)
from ARTnews