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米証券取引委員会がOpenSeaを提訴する意向。同社CEOは「創造的表現が脅かされる」と非難

米証券取引委員会(SEC)がNFTマーケットプレイスのOpenSeaに対して法的措置を講じる予定であることを通達する文書、ウェルズ通告を送付した。NFTは証券であるとSECは主張しているが、OpenSeaのCEOは作り手の創造的表現が脅かされると非難している。

NFT制作者、Pakが手がけたNFTコレクション「The Title」。Photo: Courtesy of the Artist

大手非代替性トークン(NFT)マーケットプレイスの一つであるOpenSeaは、米証券取引委員会(SEC)からウェルズ通告(*)を受けたことを発表した。同委員会は登録されていない有価証券を販売した疑いでOpenSeaを提訴する意向を示した。

*SECが企業や個人に対して、法的措置を講じる予定であることを通達する文書。

OpenSeaの最高経営責任者(CEO)であるデヴィン・フィンザーは、ウェルズ通告を受けたことを8月28日にブログ上で公表し、OpenSeaのプラットフォーム上で取引されるNFTがSECの標的にされ得ることで、売り手側の「創造的表現」が脅かされてしまうと主張している。

SECは暗号通貨取引所の取り締まりを強化しており、これまでKrakenやCoinbase、Consensys、そしてUniswapといった大手取引所に対して強制執行措置を取ってきた。また、SECは過去にも、Impact Theory LLCとStoner Cats 2 LLCを同様の罪で起訴し、後者は100万ドル(約1億4620万円)の罰金を支払っている。

ウェルズ通告を受け、フィンザーは成人向けアニメ番組の制作資金を集めるためにNFTを売却した2021年のStoner Cats 2の判決を批判し、NFTとその取引を監督する企業に対するSECの攻撃性に懸念を示した。OpenSeaは500万ドル(約7億3100万円)を拠出し、NFTを制作するアーティストや他のデベロッパーが同様の訴訟を起こされた場合の法的防御を支援することを約束した。

フィンザーはまた、「SECがNFTを取締の対象とすることで、イノベーションが阻害されてしまう。ネット上で創作活動を行う大勢のアーティストやクリエイターのほとんどは、弁護士を雇うための資金を保有していません」と声明を発表し、政府のこうした取り組みを「規制当局による権力の誇示」だと非難した。「デジタルアートは、債務担保証券と同じような扱いを受けるべきではありません」(翻訳:編集部)

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