横領スキャンダルで破産した著名アートアドバイザー、約2億8000万円の所有作品を売却へ
アメリカの著名なアートアドバイザー、リサ・シフが顧客から資金を横領したスキャンダルをめぐり、今年初めに彼女の会社が破産申請した。そして先週、シフの200点以上におよぶアートコレクションが11月にオークションに出品されることが明らかになった。
アートアドバイザーのリサ・シフは、アートメディアのArtsyに「ニューヨークでもっとも優れたアートアドバイザーの1人」と評されたほどの人物だ。だが複数のクライアントから彼女がアート作品の購入資金を横領したとして訴えを起こされ、2024年初めには彼女が経営する会社SFAアドバイザリーは破産を申請した。彼女はアート作品の保管施設やギャラリー、コレクターなど、さまざまな団体・個人に700万ドル(約10億円)近い負債を持っていた。これを受けてリサ・シフが所有する200点以上の美術品が競売にかけられる予定だと先週、アートネットが報じた。
破産管財人は、シフの膨大な資産をウィンストン・アート・グループに依頼して目録化した。同社は8カ月、合計900時間かけて1000点以上を確認したが、依然として一部は行方が知れない。アートネットの報道によると、シフのコレクションは、ジュディ・シカゴ、ダミアン・ハースト、リチャード・プリンスなど著名なアーティストの名が並んでおり、総見積もり額は200万ドル(2億8300万円)に上るという。
コレクションは、収益を最大化するために、より価値の高い作品は、専門知識や手数料免除などの好条件を併せ持つフィリップスで、そのほかの装飾品はミレア・ブラザーズ・オークショニアーズに託すことにした。フィリップスでは、ニューヨークで主要なオークションが開催される時期に合わせて11月18日に競売にかけられる。
SFAアドバイザリーと取引があった個人には通知が送付されており、コレクションのオークション出品に異議を申し立てる場合は9月18日までに行うよう求めている。(翻訳:編集部)
from ARTnews