台北當代、2026年版の開催を見送り。主催側は「フェアの戦略的再評価を実施予定」と発表

台湾の現代アートの発展を促進し、地域および国際的なギャラリーとの交流を深めることを目的に、2019年1月に創設されたアートフェア、台北當代が次回の開催を見送ると発表した。同フェアは2025年5月に第6回が開催されたが、参加ギャラリー数が激減していた。

5th Edition of Taipei Dangdai
2024年に開催された第5回台北當代の会場風景。Photo: Courtesy Taipei Dangdai

Artnetが第一報を伝えた通り、2019年に産声を上げたアートフェア「台北當代(Taipei Dangdai)」は、2026年版を開催しないと発表した。主催者によれば、現在フェアの「戦略的再評価(strategic re-evaluation)」を進めているという。

台北當代は、国際フェア運営に長年の実績をもつアンガス・モンゴメリー・アーツ(Angus Montgomery Arts、以後、AMA)を運営母体・出資主体として、同じくAMAが出資するTokyo GendaiやシンガポールのArt SGなどを手掛けるプラットフォーム、アート・アセンブリーが主催してきた。

フェアの公式ウェブサイトに掲載された声明によれば、「フェアの戦略的再評価を実施する予定であり、今後の活動におけるモデル、開催時期、規模、形式について慎重に検討していく」という。

初回の台北當代は2019年1月に開催され、アート・バーゼル香港の元ディレクターでアート・アセンブリー共同創設者のマグナス・レンフリューが指揮を指揮を執った。参加ギャラリーは90軒以上にのぼり、ガゴシアンハウザー&ワースペース・ギャラリーデイヴィッド・ツヴィルナーといったメガギャラリーのほか、セイディ・コールズHQペロタンホワイトキューブリーマン・モーピンリッソンギャラリーなどの有力ギャラリーも名を連ねた。

しかし、2024年5月に開催された第6回は参加ギャラリーが54に減少。メガギャラリーの出展はなかった。他方、若いコレクターたちの熱気に包まれた会場で、レンフリューは「心からほっとしている。参加を見送ったギャラリーやコレクターは『FOMO』モーメントを味わうだろう」と語っていた

フェアの開催見送りを発表したのは、台北當代だけではない。この少し前には、アート・ディーラーズ・アソシエーション・オブ・アメリカ(ADAA)が、今秋に予定されていた旗艦アートフェア「ジ・アート・ショウ(The Art Show)」の第37回を開催しないことを決定している。

US版ARTnewsが確認したADAA会員向けメールによると、幹部は開催中止の理由を「戦略的な一時停止」とし、「慎重な検討を経た上で、理事会が決定した」と説明している。フェアは当初、10月28日のチャリティプレビューで開幕予定だった。

しかし注目すべきは、台北當代ホームページには「フェアの戦略的再評価を実施する予定」と記載されている一方で、過去の開催情報は削除されており、AMAのウェブサイトからも台北當代の情報は消えていることだ。さらに、アート・アセンブリーのInstagramページは現在は非公開となっている

AMA傘下のCreo Artsが主催する「フォトフェア(Photofairs)」についても、今年、香港で初開催する予定だったが昨年12月に中止が発表され、さらにニューヨークでの第2回(2024年)もキャンセルされた。

AMAが関与するその他のアートフェアには、香港の「アート・セントラル(Art Central)」、ニューデリーの「インディア・アートフェア(India Art Fair)」、シドニーの「シドニー・コンテンポラリー(Sydney Contemporary)」、ニュージーランド・オークランドの「アオテアロア・アートフェア(Aotearoa Art Fair)」などがある。

US版ARTnewsはAMAにコメントを求めているが、現時点で回答はない。

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