ヴィクトリア女王のスケッチブックに描かれていたものとは?
オークションで5,000~10,000ポンド(約80万~160万円)の値がつくと予想されていたヴィクトリア女王のスケッチブックが、英王室のロイヤル・コレクション・トラストに戻る予定であることが明らかになった。
1885年から86年にかけて描いたものが収められたヴィクトリア女王のスケッチブック。表紙には、王冠と組み合わせた女王のモノグラムが記されている。Photo: Courtesy Charterhouse Auctioneers
オークションで5,000ポンドから10,000ポンド(約80〜160万円ほど)の値がつくと予想されていたヴィクトリア女王のスケッチブックが、ロンドンのセント・ジェームズ宮殿にあるロイヤル・コレクション・トラスト(イギリス王室の美術品を管理している機関)に戻されることが明らかになった。この作品を販売していたドーセット州シェアボーンの競売業者、チャーターハウス・オークショニアズが発表した。
ロイヤル・コレクション・トラストは故君主の4,000点以上の作品を収蔵しているが、スケッチブックの所有者との取引(金額は非公開)を経て、この遺品も収蔵品に加えられる予定だ。
表紙には君主のモノグラムが記されており、中は1885年から1886年にかけて女王が描いた鉛筆画や水彩画で埋め尽くされている。その多くが、女王が旅先で目にした風景だ。
なお、ヴィクトリア女王による作品としては、今年初めにロンドンのハンソンズ・オークショニアズで2枚の花の絵がオークションに出されている。
イギリスの王族には、アートを愛する君主がほかにもいる。昨年9月に即位したチャールズ3世もその一人で、若い頃から暇さえあれば水彩画を描いて楽しんでいる。
以下、ヴィクトリア女王のスケッチブックの中身を数点紹介する。
表紙の内側には、「On board the steamer Le Petit Parisien on the Lac de Bourget Ap[ril] 11 1885」(ブルジェ湖の蒸気船、ル・プチ・パリジャンの船上にて。1885年4月11日)と記されている。Photo: Courtesy Charterhouse Auctioneers
ウィンザーのフロッグモア・コテージの風景を描いた水彩画(1886年7月)。Photo: Courtesy Charterhouse Auctioneers
スケッチと水彩で描いた犬。右下に「Walter drawn and colored on the Train, June 26, 1885」(列車で描いた水彩画、1885年6月26日)と書かれている。Photo: Courtesy Charterhouse Auctioneers