草間彌生の大規模展をデイヴィッド・ツヴィルナーで5月に開催。人気シリーズ「インフィニティ・ミラー・ルーム」の新作を発表
2023年5月にニューヨークのデイヴィッド・ツヴィルナー・ギャラリーで開催される草間彌生の個展で、代表的なシリーズの1つ「インフィニティ・ミラー・ルーム」の新作を公開することが発表された。
1965年に初公開された同シリーズは、ロサンゼルスのブロード美術館やマイアミのルーベル美術館、トロントのオンタリオ美術館、ロンドンのテート・モダンなどの美術館や、ギャラリーで常設展示されている。鑑賞者が鏡張りの空間に入ると、自分の姿が何重にも映し出される様子がソーシャルメディアユーザーの間で話題となり、しばしばセルフィーを撮る人々による長蛇の列ができる。
「I Spend Each Day Embracing Flowers」と題された今回の個展では、新作のペインティングや彫刻も展示される予定。プレスリリースによると、5月12日に開幕する本展は、「草間彌生がデイヴィッド・ツヴィルナーの所属作家となって10年を記念し、最大規模の展覧会になる」という。
2019年に同ギャラリーで開催した草間の個展「EVERY DAY I PRAY FOR LOVE」では、展示した「インフィニティ・ミラー・ルーム」や《DANCING LIGHTS THAT FLEW UP TO THE UNIVERSE》の鑑賞には1人1分の時間制限を設けたが、鑑賞者は約7万5000人に上ったそうだ。
草間彌生は、昨年から今年にかけて、様々なプロジェクトや展覧会に参加し、注目を集めている。主なものでは、香港のM+美術館で開催中の回顧展、ドーハのイスラム美術館の野外彫刻展示、ニューヨークのロングアイランド鉄道の新ターミナルでのモザイクアート作品《A Message of Love, Directly from My Heart to the Universe》の設置がある。
そのほか、ワシントンD.C.にあるスミソニアンのハーシュホーン美術館・彫刻庭園では、2つの「インフィニティ・ミラー・ルーム」と、所蔵する草間彌生作品を展示する「ONE WITH ETERNITY: YAYOI KUSAMA IN THE HIRSHHORN COLLECTION」を開催し、会期延長している。
また、2023年1月にはルイ・ヴィトンとのコラボレーション第2弾を発表。メンズ・レディース合わせて400点以上のコレクションに加え、草間のカラフルなドット絵や「インフィニティ・ミラー・ルーム」、1966年のヴェネチア・ビエンナーレで初公開されたクロマチックボールのインスタレーション《ナルシス・ガーデン》を参考に、世界各国の店舗が凝ったディスプレイを展開した。ロイター通信によると、パリ、ニューヨーク、東京、ロンドンのルイ・ヴィトン店舗のショーウィンドウには、草間のアニマトロニクス・ロボットも設置されたという。(翻訳:編集部)
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