バンクシーの壁画があるファームハウスが取り壊しに。誰も作品に気づかず業者も落胆
3月14日、イギリス・ケント州の海辺の町ハーンベイで、バンクシーの壁画が描かれた築500年の農家が取り壊された。バンクシーが自身のインスタグラムで明かしている。
壁画は、波状の金属板をカーテンに見立て、カーテンを開けている少年と、ネコのシルエットが描かれていた。取り壊された農家があるBlacksole Farmの敷地は、不動産開発会社Kitewoodが所有しており、その場所には15軒の住宅を建設する予定だ。
1529年頃に建てられた農家の取り壊しが2022年末に承認された時点で、誰もこの壁画に気が付いていなかった。請負業者のジョージ・コドウェルはイギリスのメディアKentOnlineに、こう語った。「思いがけないことです。バンクシーの壁画があったと知って体調が悪くなりました......がっかりです。昨日から取り壊しを始めて、地主も私たちの作業を見ていましたが、知らなかったようです」
バンクシーは投稿にキャプションを付けなかったが、スライドショーの3枚目には、農家が破壊された画像があり、「Morning is broken」というテキストが添えられていた。
2月14日、バンクシーはイギリスのマーゲイトで、女性に対するDVをテーマにした、まぶたと唇が腫れ上がって歯が折れている1950年代の主婦風の女性を描いた《Valentine's Day Mascara》を発表。作品に使われた冷蔵庫が撤去される出来事があった。(翻訳:編集部)
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