#ルーブル美術館/Louvre
世界有数の作品収蔵数を誇るルーブル美術館が正式に開館したのは1793年。12世紀末に要塞として建設されたルーブル宮殿だが、歴代の王によって拡張・改修が行われてきた。1682年にルイ14世が王宮をヴェルサイユ宮殿に移したことから、収集されてきた古代彫刻などの王室美術品コレクションの収蔵・展示が主な役割に。また、フランス革命後にナポレオンが皇帝の座に着いた後は、略奪した美術品を収蔵したことで作品数が増え、美術館名も「ナポレオン美術館」に一時的に変更された。
現在では、古代オリエント、エジプト美術、ギリシャ・ローマ美術、絵画、彫刻、工芸品など、収蔵作品数はおよそ38万点に及ぶ。また、2012年にはルーブル美術館ランス別館が北フランスに開館し、パリ1区にある本館の所蔵作品が一部展示されている。
ルーブル美術館では常設展示のほかにも、様々な企画展を実施。近年ではノートルダム大聖堂のに収蔵された聖具や聖遺物、写本に焦点を当てた「The Treasury of Notre-Dame Cathedral(ノートルダム大聖堂の宝物庫)」(2023)や、紀元前730年頃から50年以上にわたって現在の南エジプトと北スーダンを支配していたクシュ文明を紹介した「Pharaoh of the Two Lands(二つの国のファラオ)」(2022)が挙げられる。
ルーブル美術館の代表的な所蔵作品として、レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》やミロの《ヴィーナス》、ドラクロワの《民衆を導く自由の女神》、ダヴィッドの《ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠》などがある。
美術館を象徴する存在として挙げられるガラスのピラミッドが建設されたのは1989年。ピラミッドは、美術館の入口であり、地下ホールへと続く。館内は、ドゥノン翼、スュリー翼、リシュリュー翼の三つに分かれており、各部屋が時代や地域ごとに分類されている。