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ファレル・ウィリアムスがルイ・ヴィトンでの初コレクションを発表! コラボ相手に選んだヘンリー・テイラーって誰?

6月20日、ルイ・ヴィトンファレル・ウィリアムスによる2024年春夏メンズコレクションを発表した。ウィリアムスがメンズ・ディレクターに就任して初となる今回のコレクションで白羽の矢を立てたのが、アーティストのヘンリー・テイラーだ。

ファレル・ウィリアムスによる2024年メンズ春夏コレクション。Photo: Getty Images

ヘンリー・テイラーは身近な人物を描いた肖像画で知られるアーティストだ。タバコの箱から巨大なカンバスまであらゆるものを素材に、オバマ大統領から路上で出会った人々など実に多様な人々を描いてきた。この10年間で頭角を現してきたテイラーは、最初はブラム&ポーに所属していたが、2020年からはハウザー&ワース移った。テイラー自身、ルイ・ヴィトンとは2020年以来2度目のコラボとなる。

パリで最も有名な橋、ポン・ヌフを丸ごとショー会場に仕立てて発表されたファレル・ウィリアムスのデビューコレクションは、ピクセル化された迷彩や、クラシックなLVのロゴやダミエ(市松模様)のアレンジが多用されていた。注目すべきは、テイラーが描いた肖像画の刺繍を散りばめたスーツのシリーズ。その中のデニムジャケットは、アーティストが着るようなスモックの形だった。

テイラーはショーのために作成されたビデオにも出演。セーヌ川のほとりでコメディアンのジェロッド・カーマイケルと話している。その中でカーマイケルは、自身が抱く大きな野心について恥ずかしいと思い、言い訳をしてしまうと打ち明けた。それに対してテイラーは「行動は言葉よりも雄弁だ」と力強くアドバイスを送っている。

今回のウィリアムスの仕事は決して簡単なものではなかった。前任のメンズ・ディレクター、故ヴァージル・アブローは、自身のレーベルであるオフ・ホワイトを大成功に導き、過去にはカニエ・ウェスト(Ye)のクリエイティブ・ディレクターを務めるなど、ファッションシーンでは非常に大きな存在だった。アブローが2021年にがんで死去し、後任に値する人物が決まらなかった中でのウィリアムスの抜擢。大きな期待を背負ってのデビューだった。

ショー会場にはジェイ・Zビヨンセゼンデイヤカウズなど真のAリスター(有名人中の有名人)たちが次々に登場。リアーナは妊娠中のお腹を出したデニムスーツ、キム・カーダシアンはスポーツブラとレギンスの組み合わせなど、個性のあるコレクションのカスタムメイドで、ウィリアムスの新コレクションを祝っていた。(翻訳:編集部)

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