ARTnewsJAPAN

10月からMoMAの入場料が値上げ。リニューアル直後のコロナ禍で財政に打撃

ニューヨーク近代美術館(MoMA)が、一般の入場料を25ドル(約3700円)から30ドル(約4400円)に値上げすることを発表した。

10月からの値上げが発表されたニューヨーク近代美術館(MoMA)。Photo: Corbis Via Getty Images

値上げは10月16日から実施される予定。新料金は一般30ドル(約4400円)、65歳以上・障害者は22ドル(約3200円)、学生17ドル(約2500円)で、16歳以下は無料となる。 同美術館のウェブサイトで前売り券を購入すると、一般料金は2ドル安くなる。ちなみにアメリカの映画チケットは大人14ドル(約2000円)、シニア・障害者は12ドル(約1800円)、学生10ドル(約1500円)だ。

MoMAのリリースによれば、入場料を値上げするのは2011年以来初めてのことである。昨年からグッゲンハイムホイットニーサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)、フィラデルフィア美術館が財政難を理由に相次いで入場料を値上げしており、MoMAもその動きに後続する形となった。

今回の値上げに際し、MoMA館長のグレン・D・ローリーは以下の声明を発表した。

「革新的な展覧会、パブリック・プログラムを提供し、入場者数やスタッフ数を強化するためにあらゆる手段を慎重に優先させる中で、今回の入場料金の変更は、財政の安定を維持するのに役立ちます。私たちの目標は、MoMAが毎年300万人近い来館者を迎え、現代の芸術とつながる特別な体験を提供し続けることです」

MoMAは、建築家、谷口吉生の設計により4億2500万ドル(現在の為替で約619億円)をかけて改修を実施。以前の2倍の広さで2019年秋にリニューアルオープンしたものの、直後の2020年春にパンデミックが始まったことが財政的な打撃になった。MoMAに限らず、パンデミックで受けたダメージからは、多くの美術機関が回復できていない。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい