アメリカの主要美術館はなぜ、NFTを「正統なアート」認定するに至ったのか。その道のりを追う

2021年に熱狂的なブームを巻き起こしたものの、暗号資産冬の時代の到来とともに鳴りを潜めたNFTアート。いま、それに取って代わるように生成AIが爆発的に広がっている。こうしたデジタルアートの流れを主要な美術館はどう受け入れてきたのか。ニューヨーク・タイムズ紙のザカリー・スモール記者がNFTとアート界の複雑な関係について著した新刊『Token Supremacy: The Art of Finance, the Finance of Art, and the Great Crypto Crash of 2022(トークン至上主義:アートと金の関係、そして2022年の暗号資産大暴落)』(クノップフ社)から抜粋して解説する。

ニューヨーク近代美術館の1階ホールで開催されたレフィク・アナドルの展覧会「Refik Anadol: Unsupervised」(会期:2022年11月19日〜2023年10月29日)。Photo: Robert Gerhardt/The Museum of Modern Art, New York

生成AI作品で「機械は夢を見るか」を探求するアーティスト

ニューヨーク近代美術館(MoMA)で展覧会のオープニングパーティに富裕層のアートコレクターが集うときには、美術館に併設された2つ星レストランの奥の部屋を貸し切るのが常だ。中庭に面したその部屋の窓からは、値の付けようがないほど貴重なジャコメッティの彫刻のほか、その時々にキュレーターたちが倉庫から屋外に出し、酸性雨に晒すことにした作品がよく見える。

レフィク・アナドルの展覧会が一般公開される前日の2022年11月18日、この部屋に響き渡ったシャンパングラスの乾杯の音は、ものものしい儀式を思わせるものだった。NFTブームの始まりから2年近くが経とうとしていたこの日、パーティの出席者たちは、アート界のエスタブリッシュメントであるMoMAが従来の文化とNFTを隔てていた最後の壁を乗り越えるきっかけを作ったアナドルだけでなく、暗号資産の暴落を生き延びた自分たちをも祝っていた。

トルコ系アメリカ人で現在37歳のアナドルは、(ビープルとして知られる)マイク・ウィンケルマンのような有名NFTアーティストと同じく、デジタルアートのコミュニティで注目されるようになった作家だ。彼はファインアートの学位を3つ取得し、12人のスタッフを抱えるスタジオを運営しながら作家として精力的に活動している。NFTを売り始めたキャリアの初期には、画像が渦を巻くように動くカラフルで抽象的な作品を空港やショッピングモールに展示するパブリックアートで成功を収めた。

画像を刻々と変化させているのは、アナドル自身が開発し、2016年にグーグルの「アーティスト・アンド・マシン・インテリジェンス」プログラムのレジデンシーに参加した際に改良した機械学習アルゴリズムだ。その2年後に「Machine Hallucinations(機械の幻覚)」シリーズとして発表した作品では、3億枚以上の画像と、1億1300万件以上のデータポイントを学習させたAIモデルにニューヨークのイメージを描かせている。このプロジェクトについてアナドルは、「機械の心」が見る「夢」に入り込む試みだと説明している。インターネット上にある無数の観光写真という人々の記憶をつなぎ合わせた長大なスーパーカット(*1)のようなこの作品は、見る者に不条理なほどの感動を与えた。


*1 ビデオ編集の手法の1つ。複数の映像から切り取られた同じテーマの画像を合成したもの。

2020年12月に発表されたアナドル初のNFTプロジェクトは、「Machine Hallucinations」シリーズのプログラムをルネサンス美術に適用したものだった。その作品は、バチカン美術館でロウソクの灯に照らされて並ぶ大理石の彫像が溶け崩れたようもので、出来ばえは今ひとつだったが、それでも暗号資産の投資家たちは数万円を出して彼のNFTを購入した。ささやかな売上とはいえ、それはアナドルがブロックチェーンに関心を持ち続けるには十分だった。

1年後、彼の作品は数億円で取り引きされるようになり、NFTブームが盛り上がる中でそこそこの成功を収めていた。当時のアナドルにマイク・ウィンケルマンやタイラー・ホッブスのような圧倒的な知名度はなく、ジャスティン・アヴァーサノやエリック・カルデロンのように企業の後ろ盾があるわけでもなかった。しかし、従来のアーティストのような猫背ぎみの外見を持つ彼は、アート界の人々がすんなり理解できる言葉を操ることができたのだ。

ザカリー・スモールの新刊『Token Supremacy: The Art of Finance, the Finance of Art, and the Great Crypto Crash of 2022(トークン至上主義:アートと金の関係、そして2022年の暗号資産大暴落)』。Photo: Courtesy of Knopf

アナドルがMoMAの救世主に

NFTブームの最中、MoMAは公には沈黙を守っていたが、内部では不動産王や鼻息の荒い金融マンといった理事会のメンバーたちが暗号資産市場に関心を示していた。2021年にクリスティーズでビープルの作品が記録的な高値で落札されてからほどなく、同美術館ではNFTに関する極秘タスクフォースが設置された。メンバーは最高財務責任者であるヤン・ポストマ、キュレーターのミシェル・クオとパオラ・アントネッリだ。

コロナ禍の時期、ほかの多くの文化施設と同様にMoMAも以前の入場者数や財政支援を取り戻そうと四苦八苦していた。デジタルアートの勃興に寄与した外出制限が、既存のアート界の非営利組織を危機に陥れていたこの頃、MoMAのグレン・ローリー館長は予算に大鉈を振るったと話していた。1億8000万ドル(直近のレートで約280億円、以下同)にのぼる美術館の予算を4分の1に削減し、160人の従業員を解雇、数十人のフリーランスの教育者との契約を解除するなど、2021年初めのMoMAの経営状況は決して良好だったとは言えない。

救世主を探していたMoMAのNFTタスクフォースが白羽の矢を立てたのがアナドルだ。そこで彼は、「Machine Hallucinations」シリーズの一環として、美術館のアーカイブに収められた13万8000点の画像とテキスト資料を学習させた作品を制作した。渦巻くような色彩と連続的に変わっていくフォルムからなる何百種類もの生成イメージがNFTとして発売され、売上総額は180万ドル(約2億8000万円)にのぼった。そのうち1点は少なくとも20万ドル(約3100万円)で購入されている。この件に関してMoMAは正式な発表をしていないが、プライマリーセールで17パーセント近く、セカンダリーセールでは5パーセントの手数料を得ている。

自前のリソースを費やすことなく30万ドル(約4700万円)以上をNFTが稼いだことで、MoMAの幹部は暗号資産のコミュニティや自分たちが選んだNFTアーティストを受け入れていくべきだと確信した。また、この成功によりデジタルアートをさらに増強する権限を与えられたクオとアントネッリは、Web3担当者を雇い、美術館のロビーでアナドルの展覧会を開く企画を立案。MoMAのロビーは通常、世界で最も権威あるアーティストの作品が展示される特別な場所だ。

MoMAの建築・デザイン部門シニアキュレーターで、パックマンなどの歴史を作ったビデオゲームや@マークをコレクションに加えるのに一役買ったことで知られるアントネッリはこう強調する。

「新しいテクノロジーにオープンでいることは、私たちの職務の一部です。私たちは新しい技術に飛びついているわけではありません。世界と歩調を合わせる必要性を認識しているのです」

部外者からすると、MoMAが長年築いてきた信用を暗号資産と引き換えにしているように見えるかもしれない。だが、そのように非難する人々はアート界における巧妙な取引の流儀をわかっていない。展覧会を開くのに通常なら5年の準備期間を要する美術館が、このときはわずか1年で実現させている。そして、「Machine Hallucinations」のアルゴリズムのアップデート版を使った作品で2022年11月に開幕した「Refik Anadol: Unsupervised(レフィク・アナドル:教師なし)」展(*2)は、MoMAのキュレーターがアナドル作品を収集するNFTコレクターたちとの関係を築く格好の機会となった。


*2 機械学習の手法の1つ、教師なし学習(unsupervised learning)に由来。

MoMAの有力理事と親交を結んだNFTコレクター

かくして、パブロ・ロドリゲス=フライレとライアン・ザラーは、ついに伝統的なアート界に迎え入れられることになった。この2人は、ビープル(ウィンケルマン)と交流があったおかげでNFTの最有力コレクターと目されるようになったビジネスマンだ。初期からのNFTコレクターであるロドリゲス=フライレは、あちこちのオークションでデジタルアートを競り落とす有力者として知られるようになる前、ビープル初のNFT作品《Crypto Is Bullshit(暗号資産などデタラメだ)》を2020年に購入している。

一方のザラーが2900万ドル(約45億円)で購入した《Human One(ヒューマン・ワン)》は、現在も世界中の美術館を巡回している。それに加え、ウィンケルマンにNFT作品の《Dick-Milking Factory(陰茎搾り工場)》をもとにした巨大彫刻の制作を依頼することも考えていた。《Dick-Milking Factory》は、勃起した巨大なペニスと、精液の生産量を増やそうと睾丸を刺激している象たちを描いたもので、このイメージを立体化した高さ約13メートルの彫刻をブラジルの都市に設置するという構想だった。

互いにリスペクトし合う2人のコレクターの間にはパートナーシップが生まれ、アナドルがMoMAのアーカイブを利用して制作した「Machine Hallucinations」シリーズで一番高価なNFTを共同購入。やがて2人は、同美術館で最も強い影響力を持つ理事の1人、パメラ・ジョイナーと親交を深めていく。ジョイナーはアフリカ系アメリカ人作家を中心としたコレクションを所有する資産家で、彼女の夫でベンチャーキャピタリストのアルフレッド・ジュフリーダも暗号資産への投資を行っている。

ザラーはジョイナーの意図をこう説明した。

「パメラは早くから、私たちが新領域の傾向を決めるテイストメーカーになれると考えていました。アフリカ系アメリカ人のアートの分野で彼女が行ったように、NFTの分野でも良い作品とはどういうものかを見極め、そのトレンドを主導するチャンスがあると考えたのです」

美術館運営に関わる有力者の味方を得て、NFTを正統なアートとして認知させようとする動きに箔がついた。そして伝統的なアート界の人々は、3階建ての家ほどもあるウィンケルマンのペニスの彫刻をブラジルに設置するというような馬鹿げたアイデアには乗らず、アナドルの実験的なアルゴリズムがMoMA所蔵の名作をもとに作り出す瞑想的世界という、より受け入れやすいデジタルアートに注力するべきであることを理解した。

アナドルの展覧会のオープニングパーティには、MoMAの資金調達部門と付き合いのなかった顔ぶれが大勢集まった。キンバル・マスク(イーロン・マスクの弟)やテック分野の投資家らとともにウィンケルマンの姿も見られたが、彼は少し不満げな様子だった。ウィンケルマンもMoMAの理事たちと面談していたものの、手応えが得られなかったからだ。美術館など既存のアート施設が、自分の作品を認めてくれるのを待ち続けることはしたくないと考えるウィンケルマンはこう言った。

「私の作品は何よりも継続的な成長を目指しています。視覚文化を引っ張っていくことに彼らが関心を失ったのなら、それはそれで構いません。多くの人々の心を掴んでいる私のような人間がそれを形成していくまでです」

ウィンケルマンの巨大ペニス彫刻は結局作られていないが、ベンチャーキャピタリストのザラーは依然としてMoMAとの関係構築に前向きだ。ザラーを取材したとき、彼はアナドルのNFTをMoMAの常設コレクションに寄贈する検討をしていると話していたが、そのことをMoMAのクオに尋ねると、詳細については話せないという回答だった。そのとき彼女の頭の中は、アナドルの展覧会と、ピクセルで構成された色彩の嵐を眺めるために美術館を訪れる大勢の若者たちのことでいっぱいだったのだろう。そのクオは、アナドルをこう評している。

「データと聞くと、私たちは合理的なシステムを連想しますが、アナドルは超現実的で非合理な領域へとそれを捻ってみせます。MoMAのデータセットに対する彼の独自の解釈は、現代アートの歴史を変容させたと言えるでしょう」

作品の前でポーズをとるレフィク・アナドル。ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで2月に開催された個展「Echoes of the Earth: Living Archive」のプレス向け内覧会にて。Photo: Anadolu via Getty Images

NFTの批判者から推進者へ転向したキュレーターも

有力キュレーターのクオがNFT支持を公言するまでには2年の歳月を要したが、いったんそうなると、周囲が新しいテクノロジーに抵抗する理由はほとんどなかった。「Refik Anadol: Unsupervised」展はデジタルアートの歴史における分岐点となり、投機的な側面が先行したブームが一段楽したタイミングで、NFTはMoMAの展示室に並ぶ絵画や彫刻と何ら変わらない「デジタル・コレクティブル」としてリブランディングされたのだ。NFT業界を特徴づけていた独特の言葉遣いやノリが変わっただけで門戸は一気に開かれ、大きな金脈となりうるブロックチェーン技術について沈黙を守ってきた主要美術館が、急に前向きに動き出した。

グッゲンハイム美術館の副館長兼チーフ・キュレーター、ナオミ・ベックウィズは、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで私にこう語っている。

「アーティストが現在利用できるテクノロジーは、美術館が彼らに提供できるリソースをはるかに凌駕しています。こうした転換点を迎えた今、私たちは技術面を増強する必要があります。アーティストがテクノロジーを使って制作するのなら、それを支えられるようにならなくてはいけません」

韓国LGグループの資金援助を受けたグッゲンハイム美術館は、デジタルアートの強化に向けて舵を切っている。専門のアシスタントキュレーターを新たに迎え、「テクノロジーを駆使したアートで画期的な成果をあげた」アーティストに毎年10万ドル(約1560万円)を与える賞を設けると発表したほか、収蔵品の保存管理担当者たちは作品の来歴をブロックチェーンにアップロードすることを検討している。これまでの所有者を一覧できる仕組みがあれば、美術史家が美術館のコレクションを研究するのに役立てられるからだ。

同じ頃、バッファローAKG美術館(旧オルブライト=ノックス美術館)のキュレーター、ティナ・リヴァース・ライアンは、アメリカの主要美術館初のブロックチェーンアートの展覧会を企画していた。彼女は周囲を説得し、この展覧会を「Peer to Peer(ピアツーピア)」と銘打ったオンラインオークションとして運営。同美術館の資金調達の機会となったこの展覧会には、レア・マイヤーズ、ラターボ・アヴェドン、イッツェル・ヤード(SNSではIXシェルズとして知られる)など、10人以上のデジタルアーティストが参加している。

同展について説明するときにライアンが特に気を使ったのは、「NFT」という言葉を使わないことだった。代わりに彼女は、「ブロックチェーン技術を用いるアーティストたちによるデジタルアート作品」と表現している。この持って回った言い方は、不都合な問題に対するぎこちない解決策として編み出された。かつてNFT市場に最も批判的なアート関係者の1人だったライアンが暗号資産の推進者に転向したことを、周囲が納得できる形で説明する必要に迫られたのだ。しかし彼女は、宗旨替えした結果、活躍の場を広げただけでなく、昇進すら果たしている。どんなアートも「毒にも薬にもならないコモディティ」に変質させてしまうとNFTを攻撃していたもかかわらず、この侵略的な異物をピカソの近くに置くべきだと主張するようになったライアンは、市場の変化をこう説明している。

「市場が暴落したことで、NFTの関係者の多くはむしろホッとしているでしょう。これで、さまざまな議論の可能性が開けましたから。金銭の話ばかりでなく、アートについて語れるようになったのです」

バッファローAKG美術館のエントランス。Photo: Marco Cappelletti, courtesy of the Buffalo AKG Art Museum

NFTが伝統的なアート界にもたらす恩恵

短期間でとんでもない大金を失いながら、喜んでみせるのはNFTのコレクターくらいかもしれない。しかし彼らは、とにもかくにも金に次いで価値のある文化資本に手が届くようになった。かつてはキュレーターたちを、排外的な「文化の門番」だと非難していた投資家たちも、今ではライアンを通じてアート界独特の用語を学んでいる。一方のライアンは、自らが手がけるブロックチェーンプロジェクトについて語る場合、常に美術史の中に位置付けて語るようにしている。

たとえば、写真技術の発明からアメリカの美術館で初めて写真の展覧会が開催されるまでに1世紀近くかかったことに触れながら持論を展開する彼女の話を聞いていると、NFTの台頭は必然だという気にさせられる。オルブライト=ノックス美術館で1910年に開催されたこの写真展は、ほとんどの人がカメラを記録のための道具だと見なしていた時代に、写真が芸術的な表現手段になり得ることを示すために企画された。つまり、現在バッファローAKG美術館と名前を変えたこの美術館が、他に先駆けてNFT展を開催するのは理にかなっているというわけだ。その意義を主張するライアンはこう断言した。

「デジタルアートは間違いなく、今後数十年の間に現代アートの中心的存在になるでしょう。それを使うか使わないかにかかわらず、デジタル技術はすでに現代生活を形づくる要素の1つなのです」

一方、美術館での大規模な展覧会のような派手さはないものの、アート市場でNFTの地位を確固たるものにする構造的変化はほかにも起きている。

おそらく最も影響力があったのは、アーティスト・ライツ・ソサエティ(ARS)による決定だろう。アート業界で著作権保護とライセンスに関する事実上の規範を定める権威と見なされ、世界中に12万2000人以上の会員を擁するARSは、2022年9月に独自のNFTプラットフォーム「Arsnl(アーセナル)」を立ち上げ、ミニマリストの巨匠で2024年5月に他界したフランク・ステラのNFTコレクション《Geometries(ジオメトリーズ)》をリリースした。NFTの購入者にはステラのデジタル作品を3Dプリントする権利も与えられたが、そのときステラはメディアにこう語っていた。

「NFTはすごいですね。作品の再販時にアーティストが利益を得られる権利を組み込めます。そのために何十年も虚しく働きかけてきましたが、政府ができなかったことをテクノロジーが可能にしてくれるなら素晴らしいことです」

ARSは、アート市場において今後NFTが重要な役割を果たしていくはずだという明確なメッセージを関係者に送った。それに加え、アーティストの遺産管理団体も、NFTが過去を振り返る上で大きな助けになることを実証している。レオノーラ・キャリントンアレクサンダー・カルダーのような物故作家の作品を管理する財団は、独自のNFTを発行し、資金繰りに苦労する中での新たな収入源とした。中には、NFTコミュニティの才能あるクリエーターと連携してオリジナル作品を制作した団体もある。たとえば、モホイ=ナジ・ラースローの遺産管理団体は、バウハウスの教師で構成主義の実験的作品を生み出したラースローを着想源とした新作の制作を、ジェネラティブアーティストのドミトリー・チェルニアクに依頼している。

この作品の販売によって、チェルニアクは美術史に対する造詣の深さを発揮する機会を得た。そして、アーティストはテクノロジーを味方につけるべきだと訴えるため、彼の《Light Years(光年)》プロジェクトをラースローに捧げた。

「私が制作に使っている技術を理解しているテック系の人たちは、いつも私の作品を評価してくれましたが、それ以外の人たちからは、退屈で平凡、機械的だと思われていました。私たちはテクノロジーを受け入れてはいても、文化的な領域で自分のものにしているとは言えません。今、テクノロジーは経済的、政治的な道具として使われています。もし私たちがその力を創造性のために利用することができれば、世界はもっと面白くなるはずです」(翻訳:野澤朋代)

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